伐株山(きりかぶさん)は、大分県玖珠町に位置する標高685.5メートルの山で、その独特な地形や伝説から観光地として知られています。
特に、ハングライダーを楽しめることから、愛好家が集まる場所として有名です。
しかし、近年では心霊スポットとしても名前が知られるようになっています。
ハングライダーが楽しめる山『伐株山』では、どのような心霊現象が起こるのでしょうか?
本記事では、大分県玖珠郡にある心霊スポット『伐株山』の情報を詳しく紹介します。
大分の心霊スポット『伐株山』とは
伐株山(きりかぶさん)は、大分県玖珠郡玖珠町に位置する標高685.5メートルの山で、耶馬日田英彦山国定公園内にあります。
その独特な平坦な山頂は「メサ(卓状台地)」と呼ばれる地形で、周囲の浸食によって形成されたものです。
山頂からは玖珠盆地を一望でき、周囲には万年山(はねやま)、大岩扇山(おおがんせんざん)、小岩扇山(こがんせんざん)などのメサ地形の山々が点在しています。
これらの山々は、数百万年前の地殻変動や火山活動によって形成されたとされており、伐株山の名称は『豊後国風土記』に記された伝説に由来します。
『かつてこの地には天に届くほどの巨大なクスノキが生えており、その影が広範囲に及んで作物の生育に支障をきたしていました。
困った人々は大男に依頼してこの大木を切り倒し、その切り株が現在の伐株山である』と伝えられています。
また、玖珠という地名もこのクスノキに由来するとされています。
山頂は平坦で、「伐株山園地」として整備されており、ハングライダーやパラグライダーの基地として利用されています。
初心者向けのパラグライダー体験も可能で、二人乗りのタンデム飛行によって玖珠盆地の空中散歩を楽しむことができます。
また、山頂には無料休憩施設「KIRIKABU HOUSE(キリカブハウス)」があり、ガラス張りの建物から旧豊後森機関庫や玖珠町中心部の景色を一望できます。
さらに、「ハイジのブランコ」と呼ばれる大きなブランコが設置されており、アニメ『アルプスの少女ハイジ』のオープニングシーンのような体験ができると人気を集めています。
登山道は整備されており、玖珠町役場付近から登山口までは徒歩約30分、そこから山頂までは約40分で到達可能です。道中には石仏や巨石が点在しており、歴史や自然を感じながらの登山が楽しめます。
山頂からの眺望は素晴らしく、特に早朝には雲海が広がることもあります。
『伐株山』で起こる心霊現象
トイレで幽霊が出現する
伐株山では、トイレに幽霊が現れるという噂があります。
夜間、薄暗いトイレを使用していると、背後に気配を感じたり、振り向いた際に白い影のようなものが視界をよぎることがあるそうです。
また、幽霊が鏡に映ったり、耳元で低い声で囁かれることもあると言われています。
ブランコ付近での子どもの幽霊が目撃される
伐株山の山頂付近には、「ハイジのブランコ」と呼ばれる大きなブランコが設置されています。
このブランコ付近では、子どもの幽霊を目撃したという話が後を絶ちません。
誰も乗っていないはずのブランコが揺れ続けていたり、遠くから子どもの笑い声や泣き声が聞こえることがあると言われています。
また、深夜に伐株山を訪れて写真を撮影すると、小さな手が写り込んでいたという噂もあるようです。
老人の幽霊が出現する
伐株山では、山道や山頂付近で老人の幽霊が現れるという話もあるようです。
この老人の幽霊は、訪問者に向かって何かを話しかけるような動作をしているとされています。
しかし、訪問者が気付いて近づこうとすると姿が消えると言われています。
また、気配を感じて振り返ると、誰もいないことが多いそうです。
さらに、老人の幽霊が手招きをするという噂もあり、「呼ばれてもついて行ってはいけない」と言われています。
ハングライダー中に謎の声が聞こえる
伐株山では、ハンググライダーで空中散歩を楽しんでいる際に、「飛行中に助けを求めるような声が聞こえた」という話があります。
この声は、昼間でも聞こえることがあるそうです。
ウワサされる心霊現象
- トイレで幽霊が出現する。
- ブランコ付近での子どもの幽霊が目撃される。
- 老人の幽霊が出現する。
- 謎の声が聞こえる。
『伐株山』の場所
住所 | 〒879-4412大分県玖珠郡玖珠町山田 |
最寄り駅 | JR久大本線の豊後森駅 |
アクセス | JR久大本線の豊後森駅から、直線距離で約2.5km 大分自動車道の玖珠ICから約7km |
備考 | 展望休憩舎「KIRIKABU HOUSE」の営業時間は11時から15時で、月曜・火曜が定休日 |

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『伐株山』で過去に起きた事件・事故
ハンググライダーの事故
伐株山では、2004年4月11日にハングライダーの事故が発生しました。
この事故では、ハングライダーのデモンストレーションフライト中に機体が空中分解し、操縦者が墜落して死亡しました。
事故は、機体のメンテナンスが不十分だったのではないかと推測されていますが、詳細な原因は不明のようです。
事故現場となった伐株山の山頂は、パラグライダーやハングライダーの基地として知られ、多くの愛好者が訪れるスポットとなっています。
自殺の名所としての側面
伐株山は、かつて自殺の名所として知られていたと言われています。
特に首吊り自殺が、年間数件報告されていたそうです。
山の静寂さと孤立した雰囲気が、自殺を選ぶ人々を引き寄せる一因になっていたと考えられています。
伝承に残るパワースポット的要素
大分県玖珠郡は『童話の里』と呼ばれ、さまざまな伝承や物語が残されています。
伐株山もその一つで、その名前にまつわる話が伝えられています。
『伐株山の伝承』
その昔、玖珠には天にも届きそうな楠の大樹が聳え立っていました。
雲の上までのび朝日があがるときは、有明海までその影が届き、夕日を隠して四国まで影がかかる大木でした。
玖珠の村は一年中陽が当たらないため、田畑の作物は育たず、村人も次々と病気になって大層困っておりました。
そこで身の丈九百尺もある大男に三年三ヶ月かけてその大木を伐ってもらいました。
それからは陽も当たり、豊かな作物も育ち、村人は今日まで豊かに暮らしています。
大分県くすまち観光協会 http://kusumachi.jp/pg540.html
『伐株山』心霊スポット化の理由を考察
伐株山が心霊スポット化した背景には、地元の伝承や2004年に起きた事故、自殺の名所としての噂が関係していると考えられます。
元々、『伐株山』には巨人伝説が残されており、一部の人々の間ではパワースポットのように扱われていました。
そこに、ハングライダーの事故で命を落とした人や自殺者が多いという話が拡散されたことで、山そのものが危険な場所であるというイメージが定着してしまったのでしょう。
また、玖珠郡は地域一帯が盆地となっており、周辺は山々に囲まれています。
そのため、夜になると非常に暗くなり、不気味なほどの静けさに包まれます。さらに、伐株山の辺りはいわゆる「田舎」で、20:00を過ぎると多くの家は寝静まってしまいます。
こうした要因から、夜になると虫の声や風の音が一層強く感じられ、ライトの明かりや木々の影が際立つのです。
このような田舎特有の環境も、幽霊話に拍車を掛けていると考えられます。
ちなみに、管理人の知人が玖珠郡に居住しているため、噂について確認をしてみました。
すると、若者の間では心霊スポットとして肝試しのスポットになっているそうですが、高齢者の間ではそれほど有名な話ではないようでした。
ハングライダーの事故は実際に発生しているそうですが、自殺については名所と呼ばれるほど多発しているわけではないとのことです。
知人の話では、娯楽が少ない地域なので、たまに起こる事故や自殺の話を聞きつけた若者が興味本位で肝試しに向かい、心霊話を創り上げていったのだろうとのことでした。
さらに、老人の幽霊の噂については、地域に住んでいる認知症の高齢者が徘徊することがあり、そういった方が山や畑で発見されることがあるそうです。
それが幽霊の噂につながったのではないかと言っていました。
このように、地元に伝わる伝承と過去に起きた事故や事件、田舎特有の環境が『伐株山』を心霊スポット化していったのでしょう。
『伐株山』訪問時の注意点
伐株山を訪問する際は、安全確保と近隣住民への迷惑行為に十分注意しましょう。
伐株山周辺はかなりの田舎で、夜になると真っ暗になります。山はある程度整備されていますが、足元が見えづらく非常に危険です。
懐中電灯程度の明かりでは、十分に周囲を照らすことができず、思わぬ出来事で転倒したり怪我をする危険があります。
また、周辺が非常に静かなため、大きな声で騒ぐと音があたりに響き渡ります。
その結果、けがをした際に助けを呼ぶのが遅れるだけでなく、近隣住民との間で思わぬトラブルが発生する可能性もあります。
これらの理由から、現地の訪問は夜間ではなく、昼間に実施することをおすすめします。
まとめ
本記事では、大分県玖珠郡の『伐株山』について情報を紹介しました。
伐株山は、独特な地形と巨人伝説などの興味深い民話に彩られる一方で、心霊スポットとしての噂も囁かれています。
これらの噂は、過去に発生したハンググライダーの事故や自殺者の噂によって生まれたものと考えられます。
さらに、田舎特有の娯楽の少なさや自然環境が、恐ろしげなイメージを強化していったのでしょう。
伐株山を訪れる際には、こうした背景を理解したうえで、安全対策を万全にし、他の訪問者や地元の環境に配慮した行動を心掛けましょう。
心霊スポットとしての側面に過剰にとらわれることなく、伐株山が持つ多面的な魅力を楽しむことで、より豊かな体験が得られるでしょう。