旧小峰トンネルは、東京都八王子市とあきる野市の境に位置する歴史的なトンネルで、古くから地域住民や訪問者に知られている場所です。
もともとは重要な交通路として利用されていたこのトンネルは、1916年(大正5年)に完成し、長い間地域の生活を支える役割を果たしてきました。
その後、道路網の発展や新トンネルの建設により役割を終え、現在では歩行者専用となっています。
しかし、単なる廃トンネルではなく、その静寂と薄暗い雰囲気、歴史の重みが絡み合うことで独特の存在感を放ち、心霊スポットとしても注目を集めるようになりました。
本記事では、東京の心霊スポット・旧小峰トンネルの情報を紹介します。
東京の心霊スポット『旧小峰トンネル』とは
『旧小峰トンネル(きゅうこみねとんねる)』は東京都八王子市に存在するトンネルです。
正式名称は、「小峰隧道(こみねずいどう)」で、東京都八王子市とあきる野市を結ぶ旧秋川街道(東京都道32号八王子五日市線)の旧道に位置しています。
1916年(大正5年)2月に竣工し、全長79.4メートル、幅4.3メートル、高さ3.5メートルの規模を持つトンネルです。
・歴史
小峰隧道は、八王子市とあきる野市(旧五日市町)を結ぶ重要な交通路として利用されてきました。
しかし、トンネル周辺の道路はカーブが多く、幅員が狭いため、車両のすれ違いが困難であり、高さ制限も3.3メートルと制約がありました。
このため、交通の利便性と安全性を向上させる目的で、新たに「新小峰トンネル」が建設され、2002年(平成14年)2月11日に開通しました。
・構造
小峰隧道の入口上部には、八王子側に「小峯隧道」(「峰」ではなく「峯」)、五日市側に「大正五年二月成」と記された扁額が設置されています。
トンネル内部は元々煉瓦造りで、後にコンクリートで補強されています。そのため、壁面には煉瓦が露出している箇所も見られます。
また、トンネル内は幅が狭く、車両のすれ違いが困難であったことから、現役時代には路線バスが通行する際、乗務員が対向車とのすれ違いを監視する必要がありました。
・現状
現在、小峰隧道への道の入口にはゲートが設置され、車両の通行はできませんが、徒歩での通行は可能です。
トンネル内には照明が設置されており、夜間でも歩行者が通行できるようになっています。
『旧小峰トンネル』で起こる心霊現象
女性や少女の霊の目撃談
旧小峰トンネルでは、女性や少女の霊が目撃されたという話が後を絶ちません。
その中でも特に印象的なのが、手首から先がない少女や女性の霊の存在です。
この霊は、トンネル内を彷徨うように現れるとさ言われています。
目撃者によると、彼女たちは無表情で立ち尽くしていることが多く、その場にいる人々を見つめているそうです。
鈴の音が聞こえる
鈴の音が聞こえるという現象も、旧小峰トンネルの噂の一つです。
この音はトンネル内で突然聞こえてきて、どこから響いてくるのか特定することができないと言われています。
この音を聞いた人は、音の後に異様な寒気を感じたと語っています。
不明な音の発生
トンネル内では、シャッター音や重い物が落ちるような音が突然発生することもあると言われています。
音が発生する際には、周囲の空気が急に冷たくなり、不安感が強まるといった体験談もあるようです。
金縛りの体験
金縛りを経験したという話も、旧小峰トンネルでは珍しくありません。
トンネル内に足を踏み入れると急に体が動かなくなり、息苦しさを感じるそうです。
金縛りが解けた後、身体が急に軽くなる感覚や、周囲の音が一気に聞こえるようになるというあるようです。
ウワサされる心霊現象
- 女性や少女の霊の目撃談がある。
- 鈴の音が聞こえることがある。
- 不明な音が発生することがある。
- 金縛りの体験談がある。
『旧小峰トンネル』の場所
住所 | 東京都八王子市上川町秋川街道 |
最寄り駅 | JR五日市線「武蔵増戸駅」 JR五日市線「武蔵五日市駅」 |
アクセス | 「武蔵増戸駅」or「武蔵五日市駅」で下車し、徒歩で移動 |
備考 | 徒歩で約1時間以上かかるため十分な準備が必要 |
私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。
『旧小峰トンネル』で過去に起きた事件・事故
旧小峰トンネルと「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」の関係
1988年から1989年にかけて発生した「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」は、日本全国に衝撃を与えた犯罪事件です。
この事件の犯人、宮崎勤は複数の幼い少女を誘拐し、殺害後に遺体を遺棄したことで知られています。
その中の一件で、被害者の遺体が小峰峠付近に遺棄されたとされ、旧小峰トンネルの名前が取り沙汰されるようになりました。
実際の遺棄現場はトンネルから約2km離れており、トンネル自体が直接事件の舞台になったわけではありません。
トンネル周辺と事件の影響
事件後、小峰峠周辺は一時的に注目を浴び、多くの報道陣や一般人が訪れるようになりました。
これにより、旧小峰トンネルも事件現場として語られることが増えたようです。
花束と心霊スポット化の要因
事件後、トンネルの入口や周辺に花束が置かれることがありました。
これが犠牲者を追悼するためのものであると解釈された結果、訪問者の間で「霊がさまよっているのではないか」という噂が広まりました。
さらに、事件現場に関連する多くの噂が旧小峰トンネルに紐付けられたことで、この場所は心霊スポットとしての認知度を高めていきました。
『旧小峰トンネル』心霊スポット化の理由を考察
旧小峰トンネルが心霊スポット化した要因は複数考えられます。
まず、旧小峰トンネルでは、「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」が起きる以前から、女性の霊の目撃談があったと言われています。
それに加え、事件の報道により宮崎勤の非人道的な行いと、少女の悲劇的な最期が周知されたことで、旧小峰トンネル周辺が不気味な場所として知られるようになっていったのです。
さらに、事件後、トンネルの入口や周辺に被害者を悼む花束が設置されたことで、見る者の想像力を刺激したことは間違いありません。
さまざまな要因が絡み合う中で旧小峰トンネルが心霊スポット化したことは確実ですが、「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」が世間に与えた影響は非常に大きいと言えるでしょう。
埼玉連続幼女誘拐殺人事件の影響の大きさがわかりますね。
『旧小峰トンネル』訪問時の注意点
アクセスの制限
旧小峰トンネルへの道は車両通行止めとなっており、徒歩でアクセスする必要があります。
入口付近のゲートからトンネルまでは15~20分程度の歩行が必要で、道中は未舗装で足元が悪い箇所もあります。
そのため、肌の露出を抑えた服を着用し、歩きやすい靴を履いて、暗い時間帯の訪問を避けた方が良いでしょう。
また、事前に地図やルートを確認しておくと安心です。訪問を計画する際には、時間や体力に余裕を持って行動してください。
旧小峰トンネル周辺は整備が不十分で、自然がそのまま残されているため、昼間でも薄暗く感じられることがあります。
また、野生動物が出没する可能性もあり、蛇やイノシシなどに遭遇するリスクがあるため、注意が必要です。
旧小峰トンネルは心霊スポットとして知られる一方で、近隣には住民が暮らしています。
訪問者による大声やゴミの放置などが迷惑行為とされ、地域社会とのトラブルの原因となることがあります。
そのため、静かに行動し、マナーを守ることが求められます。また、駐車場が不足しているため、違法駐車は厳禁です。
特に夜間の訪問は住民に不安を与える可能性が高いため、許可のない深夜の訪問は避けるべきです。
地域のルールを尊重し、心霊スポットの探索が他人に迷惑をかけないように心がけましょう。
まとめ
記事では、東京の心霊スポット旧小峰トンネルを紹介しました。
旧小峰トンネルは、その歴史的な背景と過去の事件に関連する噂、そして訪問者による数々の心霊現象の報告が重なり、心霊スポットとして広く知られるようになりました。
特に、宮崎勤事件との間接的な関連性や、女性や少女の霊の目撃情報、鈴の音の幻聴、不明な音の発生など、多くの噂が人々の関心を惹きつけています。
しかし、これらの心霊現象や噂は、直接的な事件現場としての証拠が乏しく、多くが訪問者の体験談や噂話によるものです。
そのため、真偽のほどは不明な部分が多く残されています。
一方で、トンネル自体は自然豊かな山間部に位置し、独特の雰囲気を持つ場所で、訪問する際には安全対策が欠かせません。
徒歩でのアクセスとなるため、事前の準備や装備が重要であり、周辺環境や野生動物に対する注意も必要です。
また、トンネル周辺には地域住民が暮らしており、訪問者の行動が迷惑行為とならないよう、マナーを守ることも大切です。
旧小峰トンネルは、心霊スポットなだけではなく、歴史と自然、そして人々の記憶が交差する場所でもあります。
興味本位で訪れるだけでなく、この場所が持つ背景や地域社会とのつながりを理解しながら、安全で節度ある行動を心がけることが求められます。
その上で、この場所を訪れる体験をより有意義なものにしていただければと思います。