私たちが暮らすこの世界は、真実と神秘が絡み合い理解を超えた存在が出現することがあり、それらの現象は多くの場合『都市伝説』や『怪談話』という形でウワサされ語り継がれています。
これらの都市伝説は、怪奇的な側面とミステリアスな雰囲気を併せ持ち、私たちの心に眠る恐怖や好奇心をかき立てるのです。
今回の記事では、世界中で語られる『消えるヒッチハイカー』という都市伝説を紹介します。
『消えるヒッチハイカー』とは⁉

『消えるヒッチハイカー』は各国や地域で細部が異なるものの、基本的なストーリーは「車に乗せたヒッチハイカーが突然消えてしまう」という展開になります。
物語が始まるのは多くの場合、深夜の静まりかえった道路です。
ひとりで車を走らせているドライバーが、道端に立っているヒッチハイカーを発見!
怪しさを感じながらも、孤独なヒッチハイカーを気の毒に思い車に乗せてしまいます。
車のなかでヒッチハイカーの様子は、特におかしなことありません。はなくドライバーと会話をしています。
しかし、時間の経過と共にドライバーは違和感を覚え始めます。
ヒッチハイカーの発言の内容が、時間や場所にそぐわなかったり、何年も前に亡くなったはずの人物について親し気に話します。
最終的に目的地に到着して、ヒッチハイカーの方を見ると、その姿は消えているのです。
その後、ドライバーは自分が出会った人物が、実際には何年も前に亡くなった人物だったと知ることになります。
この一連の流れが『消えるヒッチハイカー』の定番ともいえます。
『消えるヒッチハイカー』の報告例

都市伝説は、実際の体験や人々のウワサ話から広まることが多いです。
その中でも『消えるヒッチハイカー』の話は、世界中で報告されています。
以下に、そのなかのいくつかを紹介します。
イリノイ州で起きた怪異
1977年の秋、イリノイ州に住むレズリーは忘れられない体験をします。
とある日の深夜、レズリーは友人宅からの帰り道で一人の女性を見つけました。
白いドレスをまとい、月明かりに照らされるその姿は美しくも怪しい雰囲気を感じさせます。
その女性は、深夜にも関わらず道路脇で立っていて遠くを見つめていました。
彼女の名前はマリア。
彼女はレズリーに向かって手を振り、自分の家まで送ってほしいと頼んできたのです。
レズリーは彼女の哀しげな眼差しを見て、マリアを車に乗せることにしました。
車の後部座席に乗り込んだマリアは黙ったまま、ただ静かに窓の外を見つめていました。
そして指示された家に到着した時、レズリーは恐怖に震えることになります。
なぜなら、後部座席を振り返ったレズリーの目には、誰もいないシートが飛び込んできたからです。
そう、後部座席にマリアの姿はなく、誰かが居た気配すら残されていなかったのです。
その出来事から数日後、レズリーは勇気をふり絞ってマリアの家を訪れました。
しかし、家主から聞かされた事実は彼女を更なる恐怖と混乱に突き落とすことになりました。
実は、マリアは数年前に交通事故で亡くなっていたのです。
あの夜、マリアの魂はレズリーに連れられて家に帰ることが出来たのでしょうか?
日本のあるドライバーの体験
深夜、月明かりがうっすらと周囲を照らす静かな山道での出来事です。
ひとりの男性ドライバーが、この山道を車で走っていました。
夜風が木々を揺らし、遠くで鳴る虫の声だけが寂しく響いています。
ふと窓の外をみると、路肩にぽつんと佇む女性の姿が目に入って来たのです。
こんな山道なのにもかかわらず、彼女は一人で立っていて薄暗い夜の中でドレスが揺らめいていました。
男は思わず車を停めて彼女に声をかけます。「大丈夫ですか?どこまで行かれるんですか?」
女性は静かに頭を上げ、ほんの少し微笑んでから友人に置いていかれた事と、目的の住所を告げました。
それはちょうど彼が通る道だったので、何かの縁だと考えた男性は彼女を車に乗せることにしたのです。
女性は車内ではほぼ無言で、ひたすら窓の外を見つめていました。
そして、彼が指定された住所に到着したとき不思議な事が起こります。
振り返ると、そこに女性の姿がなかったのです。
後部座席は空で、彼女がいたことを示すものは何もありませんでした。
まるで彼女は、煙のように消えてしまったのです。
その後、彼は地元の人から聞いた話に震え上がりました。
その女性は、何年も前にその近くの道路で交通事故に遭い亡くなったというのです。
「それ以来、彼女の魂はその道を彷徨い続けているのでしょう…。」
地元の人達は、悲しそうにウワサしているのでした。
これらの話は、多くの人々が共有する都市伝説として、地域や文化を超えて広まっていきました。
その中には実際に体験したと証言する人々もいて、それが恐怖感とリアリティを増幅させています。

日本のなかでも、タクシードライバーが女性を乗せる話や、トラックドライバーが男性を乗せるなど色々なパターンがあるようです。
まとめ

今回の記事では『消えるヒッチハイカー』の都市伝説を紹介して来ました。
『消えるヒッチハイカー』の都市伝説は、世界中の様々な文化や地域で語り継がれてきました。
それは、我々に死後の世界や未知への恐怖と向き合う機会を与えてくれます。
そして単なる怖い話で終わるのではなく、私たちの心理や社会について深く考えるきっかけを与えてくれるのです。
みなさんの地域で語られている『消えるヒッチハイカー』の話があれば、ぜひ私に教えてください。
では、またの機会にお会いしましょう。

最後までお付き合い頂きありがとうございます。
またのご来室をお待ちしています。