超自然現象やオカルトの世界には、我々の理解を遥かに超える驚きや恐怖が存在しています。
『アナベル人形』は、特に有名な存在で、1970年代から世間を騒がせており映画『アナベル』や『死霊館』のもとになりました。
今回は、この『アナベル人形』の物語を紹介していきます。
アナベル人形の起源

『アナベル人形』の物語は1970年初頭のアメリカで始まります。
看護師のドナとアンジーが、母親にヴィンテージ物の人形をプレゼントされました。
その人形は、一見すると何の変哲もない子どものおもちゃのように見えました。
しかしこの人形が新居に運び込まれてから間もなく、奇妙な現象が起こりはじめたのです。
怪奇現象

アナベル人形が家に来て数日間は、特に何事もなく過ぎていきました。
しかし、ある時ドナとアンジーが仕事から帰宅すると『アナベル人形』が朝に置いていた場所とは、まったく違う場所に座っていたのです。
この時は、気のせいかとも考えた2人でしたが、それ以降人形が腕や足を組んだり、立ち上がった姿でいる場面を目にするようになります。
人形が勝手に動くはずがないと思いながらも、頻繁に起こる現象を目の当たりにしてドナとアンジーは混乱していきます。
また人形が動く以外にも、2人の恐怖を煽る決定的な現象が起こります。
2人が帰宅すると彼女たちが見たことのない小さな紙切れに子どもが手書きしたような文字で「タスケテ!」や「タスケテください」といった不安を煽るような言葉がつづられていたのです。
別の日にはアナベル人形がベッドの上に置かれていたのですが、その手には2人を誘うかのようにクレヨンで描かれた地図が握られていることもありました。
これらの出来事は、ドナとアンジーを震え上がらせるには十分でした。
怪奇現象の正体は少女の霊⁉

あまりにも現実離れした現象に恐怖を抱いたドナとアンジーは、問題を解決するために霊媒師を呼ぶことにしました。
霊媒師がセッションを通じてコンタクトした結果、人形には「アナベル」と名乗る7歳の少女の霊が宿っていることが告げられます。
そして「アナベル」は、ドナとアンジーに親しみを感じており、ふたりのそばにいたいと考えているというのです。
少女の霊に同情した2人は、アナベル人形をそのまま部屋に置いておくことにしました。
しかし、更なる事件が起こり、霊媒師の説明と彼女たちの判断は間違っていたことが判明します。
それは、2人の共通の男友達であるルーが家を訪れた時のことでした。
ルーはどこかで、奇妙な音が聞こえてくるのに気が付きます。
音の原因を調べることにしたルーは、部屋のすみに置かれているアナベル人形を発見!
人形に近づくルーの胸に痛みが走り、シャツに血が滲みます。
部屋を出て確認すると、ルーの胸には不気味なキズが残されていたのです。
ウォーレン夫妻

ルーの胸のキズを見て、ただごとではないと悟ったドナとアンジーは、ウォーレン夫婦に連絡をします。
エド・ウォーレンとロレイン・ウォーレンは、超自然現象の調査を専門に扱い、多くの奇怪な事件を解決してきた有名な夫婦です。
彼らは「悪魔祓い師」を自称し、自分たちの経験と知識で人々を超自然の脅威から守ることを生涯の使命としていました。
夫婦はドナとアンジーの話を聞くと、すぐにその人形に宿っているのが善良な少女の霊ではないことに気が付きます。
ウォーレン夫婦の調査により、アナベル人形に宿っているのは、強力で邪悪なチカラを持つ悪魔的な存在であることが判明します。
警告:触れてはならない

ウォーレン夫婦は、人形が悪魔的な力によって操られているとの結論に至った後、ドナとアンジーから人形を引き取り自宅の「オカルト博物館」に保管することにしました。
夫妻の自宅に移っても、アナベル人形は以前と変わることなく家のなかを自由に動き回ります。
危険を感じたウォーレン夫妻は、人形をガラスケースの中に収めて封印!
その前に「触れてはならない」と警告する看板を設置しました。
ウォーレン夫婦は、人形が自由になることで悪魔的な力が強化されたり、触れた人が危険にさらされる可能性があると警告しています。
しかし、訪問者のなかには興味本位で人形を挑発したり、触れる者もいてその様な行いをしたものは不幸な結末を迎えることになりました。
世界への影響

様々な事件の後、ウォーレン夫婦の主張は、多くの人々を引きつけ世界中で話題となりました。
アナベル人形の話は、映画「The Conjuring」(邦題:「死霊館」)シリーズや、「Annabelle」(邦題:「アナベル」)シリーズといったホラー映画の中で描かれ、人形の恐怖と神秘が広く語られるようになると、人気も上昇していきました。
これらの映画はフィクションですが、アナベル人形の「実際の」話に基づいています。
結論:信じるか信じないかはあなた次第

以上が『アナベル人形』にまつわる恐怖の物語です。
この話を信じるか信じないかは、最終的にはあなた次第!
しかし、こういった超自然的な現象が実際に存在するとするならば・・・。
私たちが理解していると思い込んでいる世界には、一体どれほどの闇が潜んでいるのでしょうか?
あなたは現実から乖離した、未知の領域に足を踏み入れる勇気はありますか?
この呪われたアナベル人形の物語は、未知への好奇心と恐怖心をかき立てます。
そして、それが私たちが超自然現象に魅了される理由の一つかもしれません。

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