ジブリの名作『となりのトトロ』は、家族愛や自然との触れ合いを描いた心温まるストーリーです。
しかし、そんなハートフルな作品に、不気味な都市伝説が存在することをご存知でしょうか?
それは、主人公のサツキとメイが「物語の途中で死んでいる」という信じ難い噂です。
なぜ、このような噂が生まれたのでしょうか?そして、その噂の真実とは?
本記事では、この都市伝説が誕生した経緯や内容、真相を調査し、ジブリ側の見解も交えてご紹介します。
『となりのトトロ』とは?

『となりのトトロ』は、スタジオジブリが制作し、宮崎駿監督によって1988年に公開されたアニメーション映画です。
物語の舞台は、1950年代の日本の田舎。主人公である草壁サツキとメイの姉妹は、父親とともに新居へ引っ越すことから始まります。
母親が病気で入院しており、彼女たちは父親と力を合わせて新しい生活を築いていくことになるのです。
新居での日々の中で、姉妹は「ススワタリ」と呼ばれる家の中に住む小さな精霊や、森に潜む巨大でふわふわした不思議な生き物「トトロ」と巡り会います。
トトロはサツキとメイを優しく見守り、自然の中での冒険を支えてくれる存在として描かれています。
物語では、家族の絆や自然との共生、子どもたちの純粋な視点で世界を楽しむ姿が描かれています。
『となりのトトロ』は、美しい田舎の風景や幻想的なシーンは観客の心を引きつけ、映画全体に温かさを感じさせる作品となっているのです。
その結果、作品は話題を呼び、トトロはその愛らしい外見と個性的なキャラクターで、スタジオジブリを代表する存在となりました。
映画が公開されて以来、トトロは日本国内だけでなく、世界中で親しまれるようになりました。
そして現在では、スタジオジブリの象徴的キャラクターとして広く知られる存在となっています。
都市伝説の概要

『となりのトトロ』にまつわる都市伝説は、作品内に隠された不思議な描写やシーンに対するファンの深い考察から生まれたものです。
これらの説は、一見すると物語とは無関係に思える部分に焦点を当てており、視聴者の好奇心を大いに刺激してきました。
以下では、特に注目されている要素について詳しく解説します。
サツキとメイの影が消えるシーン
物語の後半で、サツキとメイの影が描かれないシーンがあります。
このシーンをみた一部の人が、「二人がすでにこの世を去っていることを暗示しているのではないか」と言い始めました。
それがSNSやインターネットなどのメディアを通じて拡散されることで、「2人がすでに死んでいる」という都市伝説が有名になったのです。
しかし、ジブリはこれを「作画上の省略」と説明しており、物語の内容には一切関係ないとしています。
トトロが「死神」であるという解釈
「トトロは死神」という都市伝説が存在します。
この説では、「トトロに出会うこと自体が死を意味する」とされています。
しかし、トトロは物語の中で自然の精霊として描かれており、ジブリも公式にこれを完全否定しています。
水泳池で見つかったサンダルがメイのものであるという推測
めいが行方不明になるシーンで、水泳池で発見されたサンダルがめいのものだという話があります。
この場面の解釈を根拠として「メイがすでに死んでいる」としています。
しかし、作中でサンダルは別のものであると明言されており、根拠のない噂に過ぎません。
都市伝説が生まれた背景を考察

『となりのトトロ』に関連する都市伝説が生まれた背景には、作品そのものの魅力だけでなく、観る人の想像力や時代背景が深く関係しています。
ジブリ作品は、緻密に作り込まれた世界観と多層的な物語構造で知られ、視聴者が自由に解釈できる余白を残している点が特徴です。
こうした特性が、都市伝説や独自の考察を生む土壌となっています。
次に、その要因についてさらに詳しく掘り下げていきます。
ファンの深読み
ジブリ作品は、ストーリーやキャラクターの魅力は当然、背景や描写の細部にも多くの情報が散りばめられていることも魅力のひとつです。
この「隠された情報」は、ファンにとっては垂涎もので、特にミステリアスな要素を含む作品では考察を捗らせます。
『となりのトトロ』では、影が消えるシーンや六地蔵などの描写が、ファンの想像力を刺激しました。
その結果、「サツキとメイが物語の途中で死んでいる」といった都市伝説を生み出すことにつながったと考えられます。
インターネット時代の情報拡散力
現在は、SNSやブログの普及によって、短期間で情報が拡散される時代になりました。
『となりのトトロ』の都市伝説も、ネット上のコミュニティや考察記事を通じて、多くの人々に共有されていきます。
インターネットは、信憑性の低い情報であっても面白い内容や、刺激的な内容であれば拡散されやすい傾向があります。
「サツキとメイが物語の途中で死んでいる」という都市伝説が有名になった背景には、インターネットの影響があるのは間違いないでしょう。
作品中に隠されたメッセージ?
ジブリ作品は細部にわたり作り込まれており、見る人によっては隠されたメッセージがあるかのように感じます。
特に作品の内容を考察することを好むファンの間では、「隠された意図」を探る事に楽しみを感じる人がいます。
考察が過剰になり過ぎた結果、「トトロは死神」「六地蔵の意味」などの説が生み出されることになるのです。
視聴者が増えるほど、考察や意見を議論する機会も増加し、都市伝説が増えていくことになるのでしょう。
作品が複数の解釈を持っている
『となりのトトロ』に限らず多くの作品は、見る人によってさまざまな解釈が可能です。
このような特徴を持つ作品は、ファンの間で色々な意見が飛び交うことになります。
特に、明確な答えが示されていない場面や演出は、視聴者の想像力をかき立てるため、より多くの説や意見が飛び交うことになるのです。
そのなかで、インパクトの強い説や意見ほど多くの人の印象に残りやすく、拡散されやすい傾向があります。
人は、ミステリアスなものや恐ろしいものを忌避しながら、反面心惹かれるものです。
こうした要因が絡み合うことで、「サツキとメイは死んでいる」という都市伝説が、根強く語られる理由になっていると考えられます。
スタジオジブリ公式の見解
スタジオジブリは、『となりのトトロ』に関する「サツキとメイは死んでいる」という都市伝説を公式に否定しています。
2007年のジブリ日誌では、これらの噂が事実無根であることを明確にし、作品は家族の絆を描いた心温まる物語であると明言されました。
さらに、劇中でサツキとメイの影が消えるシーンについても、これは作画上の演出であり、二人が死んでいることを示唆するものではないと説明されています。
こうした公式見解により、「サツキとメイは死んでいる」という都市伝説は完全に否定されています。
『となりのトトロ』は、純粋に家族愛や自然との触れ合いを描いた作品として楽しむのが良いでしょう。
まとめ
本記事では、『となりのトトロ』にまつわる「サツキとメイは作品の途中で死んでいる」という都市伝説を紹介しました。
この都市伝説は、作品の人気や熱心なファンの深読み、そしてインターネット時代の情報拡散力が相まって、有名になった噂の一つです。
ジブリが公式に否定していることからも、この都市伝説がどれほど広く流布していたかが伺えます。
しかし、どれほど不気味な噂が広まったとしても、『となりのトトロ』が持つ本質的な魅力は変わりません。
作品を鑑賞する際には、こうした都市伝説にも目を向けながら、多角的に楽しんでみるのも良いかもしれません。
きっと、『となりのトトロ』の新たな魅力に気付くきっかけになるでしょう。