京都府の山間にひっそりと佇む『JR保津峡駅』。
その静寂と美しい自然に囲まれた風景は、一見すると癒しの空間のように思えます。
しかし、日が沈み闇が深まると、雰囲気は一変。人気のない駅は静寂に包まれ、冷ややかな空気が流れはじめます。
果たして、この『JR保津峡駅』にはどのような歴史や曰くが隠されているのでしょうか。
本記事では、JR保津峡駅にまつわる心霊現象や過去の出来事などの情報を紹介します。
県の心霊スポット『JR保津峡駅』とは


『JR保津峡駅(ほづきょうえき)』は、京都府京都市西京区と亀岡市の境に位置する無人駅です。
JR西日本の山陰本線(嵯峨野線)に属し、自然に囲まれた秘境駅として知られています。
駅番号はJR-E09、京都駅から14.3km、普通列車で約20分の距離にあります。
標高約70mの峡谷に位置し、周囲を山と渓谷に囲まれたJR保津峡駅は、紅葉の名所としても人気が高く、秋には多くの観光客が訪れます。
保津峡駅の歴史
保津峡駅の歴史は、1929年(昭和4年)に開設された「松尾山信号場」に始まり、1936年(昭和11年)に駅へ昇格しました。
当初、駅は現在の嵯峨野観光鉄道「トロッコ保津峡駅」付近にありましたが、1989年(平成元年)の山陰本線新線開通に伴い、現在の場所へ移転しました。
旧駅の跡地はトロッコ列車の駅として再利用され、観光資源として今も多くの人々に親しまれています。
駅の構造と特徴

現在の保津峡駅は、相対式ホーム2面2線の高架駅で、両側をトンネルに挟まれた橋梁上に位置する特徴的な構造を持っています。
駅の京都方面には全長1,434mの「清滝トンネル」、亀岡方面には約110mの「第二保津川橋梁」が隣接しており、ホームの一部が橋梁上にあるため、眼下を流れる清流・保津川を見下ろすことができます。
特に天気の良い日には、観光名物である「保津川下り」の遊覧船が川を進む様子をホームから眺めることができ、鉄道利用者にとっても特別な景観を楽しめる駅となっています。
駅の利用者は少なく、2020年の統計では1日平均約170人程度とされています。
無人駅であり、簡易型自動改札機と自動券売機が設置されているのみで、駅員の常駐はありません。
そのため、訪問する際には交通系ICカード(ICOCAやSuicaなど)が利用可能かを事前に確認しておく必要があります。
また、快速列車は停車せず、普通列車のみが停車するため、時間帯によっては列車の本数が少なく、事前の時刻表チェックが重要です。
駅周辺の観光スポットとアクティビティ
保津峡駅の周囲には民家や商業施設が一切なく、訪れる人の多くは観光客や登山者です。
特に人気なのが、駅からアクセスできる「愛宕山(あたごやま)登山コース」で、標高924mの愛宕山へ向かう登山ルートの起点としても利用されています。
また、南方面へ進むと「清滝(きよたき)ハイキングコース」があり、嵯峨嵐山へ抜けることができるため、ハイキング愛好者にとって魅力的なエリアとなっています。
近隣には嵯峨野観光鉄道の「トロッコ保津峡駅」があり、ここからトロッコ列車に乗車し、渓谷の美しい景色を楽しむこともできます。
春の桜や秋の紅葉シーズンには、多くの観光客が訪れ、予約が困難になるほどの人気を誇ります。
また、駅の下を流れる保津川では、亀岡市から嵐山まで約16kmの距離を約2時間かけて下る「保津川下り」を楽しむことができます。
川の急流を巧みに操る船頭の技術とともに、周囲の壮大な自然美を満喫できるため、多くの観光客に人気があります。
保津峡駅の四季の魅力
保津峡駅付近の紅葉は特に美しく、秋には一面が赤や黄色に染まる圧巻の景色が広がります。
山間部ならではの気候により、京都市街地よりも紅葉の見頃がやや早く、例年10月下旬から11月中旬にかけてが最も美しい時期とされています。
訪問時の注意点

訪問にあたっては、いくつかの注意点があります。
- 駅周辺にはコンビニや売店、自動販売機がないため、飲食物は事前に準備しておく必要があります。
- 天候の変化が激しく、特に冬場は寒さが厳しいため、防寒具の用意が欠かせません。
- 駅から出る道は山道となっており、足元が悪い場合もあるため、ハイキングに適した装備で訪れることが推奨されます。
JR保津峡駅は、都市の喧騒を離れ、自然の静けさと四季折々の風景を楽しむことができる特別な場所です。
観光地としての知名度は高くないものの、訪れる人々にとっては秘境の魅力が詰まった駅といえるでしょう。
紅葉やハイキングを目的とする人々にとっては、他では味わえない特別な体験ができるスポットです。
『JR保津峡駅』で起こる心霊現象

女性の幽霊の目撃
JR保津峡駅では、深夜になるとホームや駅周辺で女性の幽霊が目撃されるという報告が多く寄せられています。
目撃者が視線を向けたり、近づこうとすると、スッと消えてしまうそうです。
この女性の幽霊は、終電が過ぎた後の深夜帯に姿を現すことが多いといわれています。
また、かなり古い時代の服装をしているように見えたという証言もあります。
さらに、人影を見た直後に急に寒気を感じたり、異様な視線を感じることがあるという話もあるようです。

カジュアルな服装の女性の幽霊を目撃した人もいるようです。
足音が聞こえてくる
JR保津峡駅では、誰もいないはずなのに足音が聞こえるという報告もあるようです。
この足音は、人がいないはずのホームや駅の階段、線路沿いからも聞こえることがあるといいます。
すぐ後ろで足音が聞こえ、慌てて振り返ったものの、そこには誰もいなかったという体験談もあります。
また、駅の階段で聞こえる足音の話も多く、誰かがゆっくりと階段を上り下りしているように響くといわれています。
特に夜間に駅を訪れた人が耳にすることが多く、訪問者の中には、「駅のベンチに座っていたら、階段を降りてくるような足音が聞こえたが、降りてくる人影は見えず、音だけが響いていた」という不気味な体験をした人もいるようです。
トンネル内から声が聞こえる
JR保津峡駅の近くにはいくつかのトンネルが存在しますが、そのうちのひとつでは心霊現象が起きるといわれています。
夜間にこのトンネルを訪れると、誰もいないはずの暗闇の中から、どこからともなくかすかな声が響くことがあるそうです。
目撃者の証言によれば、その声ははっきりとした単語や会話ではなく、何かを訴えかけるような低い囁き声だったといいます。
中には、「おいで…」や「助けて…」といった言葉が聞こえたという話もあるようです。
また、声が聞こえると同時に、「誰かが背後に立っているような気配を感じた」「肩を軽く叩かれたような感触があった」といった体験談も報告されています。
ウワサされる心霊現象
- 女性の幽霊の目撃がある。
- 足音が聞こえてくる。
- トンネル内から声が聞こえる。
- 天竜寺踏切事故現場で、深夜にバスのエンジン音が聞こえる。
- 天竜寺踏切事故現場で、深夜に警報が鳴り響く。
- 天竜寺踏切事故現場で、深夜に謎の人影が出現する。
『JR保津峡駅』の場所
住所 | 〒621-0005 京都府亀岡市保津町保津山2 |
最寄り駅 | JR嵯峨野線(山陰本線)『保津峡駅』 |
アクセス | 京都駅からJR嵯峨野線の普通列車に乗車し、約20分 |
備考 | 快速や特急列車は保津峡駅に停車しないため注意 |

私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。
『JR保津峡駅』で過去に起きた事件・事故
1989年8月22日に発生した天竜寺踏切事故
1989年8月22日、JR嵯峨駅と保津峡駅の間にある天竜寺踏切で、京都市営バスと急行列車が衝突する大規模な事故が発生しました。
この事故はバスの運転手の判断ミスや、踏切の状況が関与していたとされ、多数の負傷者が出る惨事となりました。
急行列車はバスに気づいてブレーキを掛けましたが、すぐに停止することができずバスと衝突。
その衝撃によってバスは大破し、乗客が負傷する事態に至ったといわれています。
風葬の地としての歴史と因縁
JR保津峡駅の周辺地域は、古くから「風葬の地」として知られています。
風葬とは、遺体を土に埋めずに自然に晒し、朽ち果てるのを待つ葬送の方法の一つで、特に山間部ではかつて一般的に行われていました。
かつての日本では、身分の低い者や貧困層の人々は寺院に葬られることが許されず、家族や村人によって山の中に運ばれ、そのまま放置される形で弔われることもあったといわれています。
この地域では、風葬の場として使われていた場所がいくつも存在していたとされています。
また、この地域は京都から丹波地方へ向かう重要な峠道の一部で、戦国時代や江戸時代には盗賊や追剥ぎ(おいはぎ)が横行していたといわれています。
旅人が襲われ、命を落とすことも珍しくなく、彼らの遺体が人知れず山の中に放置されることもあったと考えられています。
自殺の名所の噂
JR保津峡駅は、自殺の名所として知られており、過去に多数の自殺者が存在するといわれています。
駅は人里離れた山中にあり、近くには切り立った崖や急流の保津川が流れているため、駅周辺で遺体が発見されるケースも少なくありません。
特にホームから線路へ飛び込むケースが多く、鉄道会社の職員が「過去に何度か飛び込み自殺の対応をした」と証言しています。
また、駅のすぐ近くにある橋から川へ飛び降りるケースも報告されており、「自殺しやすい場所」として知られていることが問題視されています。
『JR保津峡駅』心霊スポット化の理由を考察

JR保津峡駅が心霊スポットとして語られる理由は複数の要因が重なっています。
まず、この駅は人里離れた山間に位置し、周囲には民家がほとんどないため、昼間でも訪れる人が少なく、夜は深い静寂に包まれます。
また、駅の周辺は森林に囲まれていて、夜になると外灯の光も届かず漆黒の闇が広がります。
このような特殊な環境が、訪問者の恐怖心を刺激し、心理的な不安を引き起こします。
さらに、この駅の近くでは過去に重大な事故が発生しています。
特に1989年に起きた京都市営バスと列車の衝突事故は多くの負傷者を出し、その惨劇が駅周辺にまつわる霊的な噂の一因となっています。
こうした悲惨な事故が発生した場所は、何かしらの怪異が起こると信じられやすくなります。
事故以外にも自殺や転落事故の報告があり、それらが積み重なることで「心霊スポット」のイメージが確立されたのだと考えられます。
加えて、JR保津峡駅があるこの地は、古くから風葬の場として知られていました。
風葬とは遺体を土に埋めず、自然の力で朽ち果てるのを待つ葬送の方法で、かつての日本では人里離れた山中で行われることがありました。
この地域においても、そうした風葬の儀式が行われていたとされ、長い年月の間に多くの亡骸がこの土地に眠ったままになっている可能性があります。
その話を知る人は、霊的な存在や奇妙な現象をイメージしやすくなります。
これらの要因が総合された結果、JR保津峡駅は心霊スポットとして有名になっていったのでしょう。

JR保津峡駅の周辺地域には、心霊スポットが多数隣接しています。
『JR保津峡駅』訪問時の注意点
JR保津峡駅を訪問する場合、事前に移動手段を確保しておく必要があります。
駅周辺にタクシーやバスなどの公共交通機関がほとんどないことに加え、電車の本数も非常に少なくなっています。
さらに、夜間は人通りが少なく、スマートフォンの電波が不安定な場所もあります。
万が一のために連絡手段や移動手段を準備しておきましょう。
また、駅周辺の道は足元が悪く、暗くなると視界も限られます。
懐中電灯や滑りにくい靴を持参し、安全に移動できるよう備えておくことをおすすめします。
まとめ
本記事では、京都府の心霊スポット『JR保津峡駅』の情報を紹介しました。
JR保津峡駅は、その美しい自然環境と静寂により、一見すると癒しのスポットのように思えます。
しかし、過去の事故や歴史的背景、そして数々の心霊現象の噂が相まって、独特の雰囲気を醸し出しています。
訪れる際には、こうした背景を理解し、安全面にも十分配慮して行動しましょう。
JR保津峡駅は、秘境のような静寂の中に潜む神秘的な空間です。
心霊スポットとしての噂はありますが、一方で、その歴史や自然の美しさもまた訪れる人々を魅了します。
怖いもの見たさで訪れる人もいれば、駅の神秘的な雰囲気を楽しむ人もいるでしょう。
しかし、どのような目的で訪問するとしても、マナーを守りながら行動してください。