福岡県那珂川市にひっそりと佇む『牛頸ダム(うしくびダム)』。
昼間は、緑豊かな木々が風に揺れ、湖面には静かな波紋が広がる――まるで時間が止まったかのような穏やかな場所です。
しかし、その静けさは夜の帳が下りるとともに一変します。
この地では、長年にわたり語り継がれてきた不可解な出来事や、人知を超えた怪異の噂が絶えません。
本記事では、福岡県の心霊スポット『牛頸ダム』にまつわる情報をご紹介します。

本記事は2025/02/28に加筆・修正しています。
福岡県の心霊スポット『牛頸ダム』とは


『牛頸ダム(うしくびダム)』は、福岡県大野城市に位置する多目的ダムです。
御笠川水系牛頸川に建設され、主な目的は洪水調節と水道用水の供給であり、福岡都市圏の水資源管理において重要な役割を果たしています。
名前の由来は、その名の通り『牛の首』から来ているようです。
伝承によると、菅原道真公が大宰府へ向かう道中、牛車を曳いていた牛が首を下げて立ち止まったことから『牛頸』と名付けられたとされています。
牛頸ダムの建設計画は、昭和45年(1970年)から46年(1971年)にかけての予備調査に始まりました。
もともと、この地域の治水は大野町営ダムが担っていましたが、このダムは治水能力が低く、水害が頻発していました。
それに加え、人口増加の影響もあり、新たにダムを建設することが決定されたのです。
この新たなダムが『牛頸ダム』であり、大野町営ダムの約14倍の規模を持っています。
その後、昭和47年(1972年)から51年(1976年)にかけて実施計画調査が行われ、昭和52年(1977年)に建設事業が正式に着手されました。
昭和57年(1982年)10月には付替道路の工事が開始され、ダム本体の建設が進められました。
牛頸ダムは、中央土質遮水壁型ロックフィルダムという構造を持ち、堤高52.7メートル、堤頂長383.0メートル、堤体積は1,065,000立方メートルです。
総貯水容量は2,280,000立方メートルで、湛水面積は22.0ヘクタールに及びます。

筑後川から取水された水は、独立行政法人水資源機構が管理する福岡導水路を経由して牛頸浄水場へ送られ、浄水処理後に各家庭や事業所へ供給されています。
ダム周辺は「大野城いこいの森」として整備されており、キャンプ場や大型遊具、スポーツ公園、研修施設などが備わった総合公園となっています。
また、5月下旬から6月上旬にかけては、ダム下流でホタル観賞が楽しめるスポットとしても知られています。
牛頸ダム周辺には、6世紀中頃から9世紀中頃にかけて操業していたとされる「牛頸須恵器窯跡」が存在します。
この窯跡は、総数500基を超える九州最大の須恵器窯跡群であり、大野城市の重要な文化財として保存・整備が進められています。
大野城市の中心部から車で約15分とアクセスも良好で、自然の中でのレクリエーションや歴史探訪を楽しむことができます。
牛頸ダムは、治水・利水の役割を果たすだけでなく、周辺の自然環境や歴史的遺産、レクリエーション施設など、多面的な魅力を持つスポットとして親しまれています。
『牛頸ダム』で起こる心霊現象

白い服の女性の霊の目撃情報
『牛頸ダム』では、白い服をまとった女性の霊が目撃されています。
この女性の幽霊は、夜にダムの周辺や湖畔の道、堤防付近で目撃されることが多いとされています。
目撃者によると、白いワンピースのような服を着て、長い黒髪をたなびかせながら湖面を見つめている姿が確認されているそうです。
さらに、車でダム周辺を走行中、バックミラーにこの女性の姿が映り込んだという証言もあります。
しかし、驚いて振り返った次の瞬間には、そこには誰もおらず、霊が立っていたはずの場所にも痕跡すら見つからなかったといいます。
謎の足音や声が聞こえる
『牛頸ダム』の周囲では、夜になると誰もいないはずの場所で足音が聞こえるという噂が流れています。
人気のない森の小道やダム周辺の遊歩道では、まるで誰かが後ろからついてくるような気配を感じることがあるといいます。
ある訪問者の証言によると、深夜に友人とダムへ肝試しに訪れた際、周囲に誰もいないはずなのに、落ち葉を踏みしめるような音が一定の間隔で聞こえてきたそうです。
最初は風の音かと思っていたものの、明らかに人の足音であることに気付き、恐怖のあまり一目散に車へと逃げ帰ったといいます。
また、深夜に湖のほとりで「助けて……」という女性のかすかな声を聞いたという話もあります。
しかし、声がした方向には誰もおらず、仮に人がいたとしても助けを求めるような状況ではなかったため、不気味さが際立ちます。
写真に写り込む不審な影
『牛頸ダム』を訪れた人々の中には、撮影した写真に異様なものが写り込んでしまったという経験をした者も少なくありません。
あるグループが深夜に訪れ、ダムの堤防をバックに記念撮影をしたところ、本来なら誰もいないはずの中央に、ぼんやりとした黒い影が映っていたといいます。
さらに、別の写真では白い手が背後から伸びているかのような奇妙なものが写っており、撮影した本人たちは恐怖のあまり、その場をすぐに立ち去ったそうです。
また、スマートフォンで動画を撮影していた際、画面越しに「誰か」が映り込んでいたという報告もあります。
しかし、肉眼では何も見えず、録画された動画を確認すると、かすかに女性の顔のようなものが映っていたとされています。
禁忌
牛頸ダムに赤い服を着て夜に訪れると、幽霊に遭遇したり、正体不明の男に襲われて刃物で切り付けられるといった噂があります。
その由来は不明ですが、肝試しで牛頸ダムを訪れる際は、赤い服を着るのは避けた方が良いかもしれません。
ウワサされる心霊現象
- 女性の幽霊が目撃される。
- 謎の声や足音が聞こえる。
- 心霊写真が撮影される。
- 赤い服を着て行くと幽霊と遭遇する!男に襲われる!
『牛頸ダム』の場所
住所 | 〒816-0971 福岡県大野城市牛頸 |
最寄り駅 | JR博多南線 『博多南駅』 |
アクセス | 博多南駅から車で約30分 |
備考 | 公共交通機関ではアクセス困難 |

私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。
『牛頸ダム』で過去に起きた事件・事故

自殺の名所としての『牛頸ダム』
『牛頸ダム』は、その静寂さや深い水深から、自殺の場所として選ばれることがあったと言われています。
2017年には、一家心中とみられる事件が発生し、地元住民や訪問者に大きな衝撃を与えました。
この事件を受けて、ダム周辺には自殺防止の看板が設置され、悲劇の再発を防ぐための対策が講じられています。
交通事故の多発とその背景
『牛頸ダム』周辺の道路は、カーブが多く見通しが悪いため、交通事故が頻発していた時期がありました。
特に夜間や悪天候時には、路面の滑りやすさや視界不良が重なり、重大な事故につながるケースも報告されています。
現在では、道路の整備や注意喚起の標識設置など、安全対策が進められていますが、過去の出来事がもたらした影響は未だに色濃く残っています。
不吉な事故の噂
牛頸ダムでは、過去に恐ろしい事故が発生したと噂されています。
1998年には、ダムの事務所近くでショベルカーが転落する事故がありました。
転落先には11歳の子供がいたとされ、事故に巻き込まれて亡くなったと伝えられています。
また、2008年には、炎上したトラックの中から遺体が発見されるという出来事もあったと言われています。

牛頸ダムの公園内には祠があるそうです。この祠の情報はとても少なく存在の意味は不明なようです。
『牛頸ダム』心霊スポット化の理由を考察

『牛頸ダム』が心霊スポットとして知られるようになった要因として、ダム周辺の環境や、過去に起きたとされる事件・事故が挙げられます。
牛頸ダムの周辺は非常に静かで、ダム湖の水深も深いため、多くの人が自ら命を絶ったという噂が広まりました。
さらに、ダム周辺の道路では交通事故が多発しており、不運にも命を落とした人がいたようです。
こうした悲劇が積み重なったことで、心霊現象が語られるようになったのでしょう。
また、牛頸ダム特有の雰囲気も恐怖心を煽る要因のひとつです。
ダム周辺は夜になると真っ暗になり、不気味な静寂に包まれます。
湖面は黒々と広がり、木々が風に揺れる音が、まるで誰かの囁き声のように聞こえることもあります。
こうした環境が「何かが潜んでいるのではないか」という恐怖を呼び起こし、心霊スポットとしてのイメージを強めたのだと考えられます。
これらの要因が重なり、『牛頸ダム』は心霊スポットとして知られるようになっていったのでしょう。

ダム名の『牛頸』の謂れも、不吉さを煽る要因になっているのかも知れません。
『牛頸ダム』訪問時の注意点
牛頸ダム周辺は自然が豊かである反面、道が整備されていない場所も多く、足元が不安定なところがあります。
特に湖畔付近は地面がぬかるみやすく、雨天後は滑りやすいため、訪れる際には滑りにくい靴を選ぶことをおすすめします。
また、夜間には野生動物が出没することも報告されており、注意が必要です。
訪問する際は、安全面を考慮し、十分な準備を整えて向かいましょう。
まとめ
本記事では、福岡県の心霊スポット『牛頸ダム』の情報を紹介しました。
『牛頸ダム』は、四季折々の美しい風景と静寂に包まれた神秘的な場所です。
しかし、その静けさの裏には、語られることのない過去の悲劇や、不気味な現象が潜んでいます。
ここを訪れた者の中には、何者かの視線を感じたり、聞こえるはずのない声を耳にしたり、撮った写真に奇妙な影が写り込んでいたと証言する人も少なくありません。
この地に刻まれた歴史は、人々の記憶に留まりながらも、まるでダムの深い水底へと引きずり込まれるかのように、その真実は曖昧なまま、時の流れの中に沈んでいきます。
果たして、これらの心霊現象は偶然の産物なのか、それとも何かが確かに "そこにいる" のか……。
興味本位で踏み込むことは容易ですが、この地には過去に悲劇を経験した人々の想いが残されているかもしれません。
もし訪れる際には、心霊スポットとしての怖さを楽しむだけでなく、そこに宿る "何か" に敬意を払い、安全とマナーを守ることを忘れないようにしましょう。