大阪府岸和田市にある「久米田池」は、大阪府内で最大の面積を誇る広大なため池です。
池は岸和田市の池尻町と岡山町にまたがり、日中はジョギングを楽しむ人々や、春には花見スポットとしても多くの市民に親しまれています。
昼間は賑わいを見せる「久米田池」ですが、夜になるとその雰囲気は一変します。もともと少ない街灯の明かりは水面に吸い込まれ、池全体が深い“黒”に包まれるのです。
こうした環境が噂を生み出すのか、それとも“何か”を引き寄せているのか──久米田池には、心霊現象にまつわる不穏な噂が語られています。
本記事では、大阪府内で心霊スポットとして知られる「久米田池」について、伝承や体験談を交えながら詳しくご紹介します。
大阪府の心霊スポット『久米田池』とは




久米田池は、大阪府岸和田市に位置する府内最大級のため池で、満水時の面積は約45.6ヘクタール、周囲は約2.6kmにもおよびます。
池の周辺には整備された畔道や歩道が整い、春には桃や桜の花が水面に映り込んで、美しい景観を描き出します。
久米田池が造成されたのは奈良時代初期(神亀2年〜天平10年/725〜738年)で、干ばつに苦しむ農民のために、高僧・行基が民を率いて約14年の歳月をかけて築いた灌漑用の池です。
神於山から流れる轟川(春木川)の水を堰き止めて築造されたこの池は、歴史ある灌漑インフラであり、現在では「世界かんがい施設遺産」にも登録され、多くの市民の憩いの場として親しまれています。
また、池の隣には、行基によって建立されたと伝わる久米田寺が隣接しています。
このような古い歴史を持つことから、地域にはさまざまな伝承も残されており、「乙御前(蛇身の女)がこの池に住み、以後水の主となった」と語られる民話や、「火消し地蔵」にまつわる話など、水神信仰や霊的な噂の源として伝えられています。
このように、広大な池の自然環境と、地域に根付いた伝承の数々が、「久米田池」の魅力をいっそう深めているのです。
『久米田池』で起こる心霊現象

複数の霊に追いかけられる
久久米田池では、深夜に訪れると「複数の霊に追いかけられた」という話が語られています。
特に池のほとりを歩いていると、背後から足音や気配を感じ、振り返っても誰の姿もない――。それでも再び歩き始めると、何者かが“さらに近づいてくる”ような感覚に襲われるのだそうです。
過去には、YouTubeに複数方向から物音が響く様子を収めた動画が投稿されていたこともあり、視聴者からは「本当に何かがいるのでは」と恐怖の声が上がっていました。
こうした現象の数々から、「池の周辺には複数の霊が潜んでいる」と噂され、深夜にひとりで久米田池を訪れてはいけない……と語られるようになったのです。
トイレに潜む女性の霊と“アイシテル”の声
久米田池の公衆トイレには、「女性の霊が潜んでいる」という噂が囁かれています。
深夜に訪れると、誰もいないはずのトイレの個室から、「アイシテル……」という女性の囁き声が聞こえてくるのだそうです。
さらに、その声を聞いた直後に謎の轟音が響き渡り、電子機器が誤作動を起こしたという話もあります。
また、カメラのレンズが突然曇り、画面の奥に白くぼやけた“女性の姿”らしき影が浮かび上がったという体験談も語られており、不気味さをより一層際立たせています。
タクシーを止める老婆の怪異
久米田池では、深夜に池畔を走るタクシーが老婆に呼び止められるという噂が語られています。
噂によれば、老婆は深夜の誰もいない池のほとりで、静かに手を挙げ、タクシーに乗車を求めるのだそうです。
運転手が停車して後部座席に乗せると、次の瞬間にはその姿が消えている――。
しかもその際には、ドアの開閉音や座席の沈み込む感触まであったとされ、確かに“何か”が存在した痕跡があったことが、恐怖をより一層深めています。
この種の話はタクシー怪談としては定番とも言えますが、久米田池にまつわるものは妙にリアルで、生々しい体験談がささやかれているのだとか。
一説によれば、この現象がもととなり、地元では「深夜にひとりで不自然に佇む老婆を車に乗せてはいけない」という話が語られている……という噂もあるようです。
ウワサされる心霊現象
- 複数の霊に追いかけられる。
- トイレに潜む女性の霊と“アイシテル”の声。
- タクシーを止める老婆の幽霊の噂がある。
『久米田池』の場所
住所 | 大阪府岸和田市 |
最寄り駅 | JR阪和線の「久米田駅」 |
アクセス | JR阪和線「久米田駅」下車 → 商店街を南へ抜け徒歩12〜15分 「池尻」や「岡山」などのバス停から徒歩6〜9分程度 |
備考 | 夜間は街灯が少なく、池周辺はほぼ真っ暗になるため視界不良で足元に注意が必要。 |

私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。
『久米田池』で過去に起きた事件・事故

事故と自殺が発生した⁉
久米田池では、過去に事故や自殺が起きたという噂があるようです。
地元関係者によると、かつて池の周辺が十分に整備されていなかった頃、夜間は視界が悪く、散歩中に足を滑らせて転落する事故が起きたこともあったといいます。
また、池に身を投げて命を絶ったとされる自殺者もいたとも語られています。
これらの出来事は新聞などの報道が少なく、真偽ははっきりしませんが、住民の間では「夜間に池の周囲を散歩する際は注意が必要だ」と語り継がれてきたようです。

水辺の事故は、危険度が高いので事故を予防する目的でも注意喚起がされていたのでしょう。
刃物による刺傷未遂事件
久米田池では、過去に池の周辺で男性が何者かに刃物で切りつけられるという刺傷未遂事件が発生したとされています。
犯人は逃走し、事件は未解決のままだったとされ、一時期は池周辺で警察の見回りが強化される事態となったそうです。
ただし、この事件については信頼できる情報源を確認することができず、真偽のほどは不明です。
乙御前伝説と水神の民話
久米田池には、「乙御前(おとごぜん)」と呼ばれる蛇身の女性にまつわる伝説が残されています。
奈良時代、僧・行基によって築かれたこの池は、水利の要所であると同時に、水神を祀る信仰の対象でもありました。
乙御前は池の主として語り継がれ、民話では「恋に破れた娘が蛇の姿となり、池に棲みついた」と伝えられています。
かつては、この蛇霊を鎮めるための儀式が地域で行われていたとも言われており、自然と人との関わりが生み出した神秘性が、“神聖な場所”という認識へと昇華されていったそうです。
『久米田池』心霊スポット化の理由を考察
久米田池が心霊スポットと呼ばれるようになった背景には、地元に伝わる伝承と、深夜の池が醸し出す恐ろしげな雰囲気が大きく関係していると考えられます。
古くから語り継がれている「乙御前(おとごぜん)」の伝承は、池に神秘的でどこか不気味な印象を与えており、その存在が現在も人々の記憶に影響を与えているのでしょう。
また、深夜に広がる久米田池の水面は、まるで吸い込まれるような「黒」に包まれ、見る者に静かな恐怖を与えます。
日中は多くの人が散策に訪れる明るく穏やかな場所であるだけに、夜になると人影が消え、一気に不気味な印象へと変わる「ギャップ」も、心霊スポットと呼ばれる要因のひとつかもしれません。
さらに、池周辺が十分に整備されていなかった時代には、誤って転落して命を落とすような事故があった可能性も否定できませんし、近年では事故だけでなく、自殺の噂も囁かれています。
このように、伝承・風景・事故や噂といった複数の要素が絡み合い、「久米田池」は自然と心霊スポットとして語られるようになっていったのではないでしょうか。

もともと水辺の場所では、子どもが近づかないように恐ろしい話が語られることがよくあります。そうした背景もあり、「久米田池」が心霊スポットとして語られるようになった可能性もあるでしょう。
『久米田池』訪問時の注意点
久米田池を訪問する場合、ふざけ半分で深夜に立ち入ることは避けましょう。
現在では池の周辺の整備が進んでいるとはいえ、夜間は視界が悪く、思わぬ事故につながる可能性があります。
深夜に1人で訪問し、万が一池に転落してしまうと非常に危険です。泳ぎに自信があっても、服を着たままでは溺れてしまうおそれがありますし、助けが来ないため、池の中で力尽きてしまう可能性もあります。
できるだけ、日没前後の明るい時間帯に訪問する方が良いでしょう。
また、悪意を持った人物や集団が訪れている場合もあり、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。そもそも夜間に騒げば、地元の方々の迷惑にもなります。
安全とマナーを守りながら、歴史と伝承を尊重して訪問することで、「久米田池」をより深く楽しむことができるでしょう。
まとめ
本記事では、大阪府で心霊スポットと呼ばれている「久米田池」の情報をご紹介しました。
久米田池は、昼間には美しい景観とちょうど良い散歩コースを楽しむ人で賑わいますが、夜になると雰囲気が一変し、周囲は暗くなり人の気配がなくなります。
さらに池の周辺には、乙御前伝説や水神伝承といった古代からの言い伝えが残されているだけでなく、事故や自殺の噂も囁かれています。
また、「老婆がタクシーを止めた瞬間に消える」「複数の霊に追いかけられる」「“アイシテル”とささやく女性の声」など、恐ろしげな心霊の話も語られています。
こうした現象を目的に「久米田池」を訪れる人もいるようですが、夜間の訪問は心霊的な意味だけでなく、事故や人的なトラブルの面でも危険をはらんでいます。
近年では、昼間の明るい時間帯に心霊スポットを巡ることも流行しているようなので、安全とマナーを守る意味でも、深夜の訪問は避け、日中に訪れることをおすすめします。