深夜のネットやテレビ番組などで、ときどき名前の挙がる「三途の川の踏切」。
まるであの世との境目のような、不穏な通称を持つこの踏切は、兵庫県尼崎市にあるJR神戸線の「武庫川東踏切」を指します。
武庫川の鉄橋のすぐ東側、川沿いの土手の上を横切るこの踏切は、複々線を列車がひっきりなしに行き交う、都市部らしい鉄道風景の一角です。
本記事では、「三途の川の踏切」と呼ばれるようになった場所がどこにあり、どのような環境・歴史を持つ踏切なのかを、心霊現象の噂はひとまず横に置いて、地理的・鉄道的な視点から整理してご紹介していきます。
兵庫県の心霊スポット『三途の川の踏切』とは
「三途の川の踏切」は、兵庫県尼崎市南武庫之荘にあるJR神戸線(東海道本線)の「武庫川東踏切」の通称です。
武庫川に架かる鉄橋のすぐ東側、川沿いの土手の上で複々線の線路を一気に横切る構造になっており、普通列車から新快速まで多くの列車が高速で通過します。
この区間の路線は明治時代に大阪〜神戸間として開業し、その後の複線化・複々線化工事を経て現在の姿になりました。
踏切自体は警報機と遮断機を備えた一般的な第1種踏切で、近年は安全対策として青色照明も設置されています。
周辺は住宅街と河川敷の遊歩道が広がる落ち着いたエリアで、近隣住民の日常の生活道路であると同時に、武庫川と列車を一望できる鉄道風景のポイントとしても知られています。
『三途の川の踏切』で起こる心霊現象
謎の黒い影の目撃談
三途の川の踏切では、『黒い影を目撃した』という噂が囁かれています。人影は、視界の端に写るものの視線をそちらに向けると誰もいないといわれています。
白い服の女性の目撃談
黒いかごの他にも、三途の川の踏切では『白い服の女性を目撃した』と言った如何にも不穏な現象の報告もあるそうです。
女性の幽霊は、どこを見ているのか分からないような雰囲気で、一点を見つめていることもあれば、訪問者を睨みつけるように見ていることもあると言われています。
あまりの自殺の多さに霊感の強い人は、この付近に近づけないとまで言われています。
ウワサされる心霊現象
- 謎の黒い影の目撃談がある。
- 白い服の女性の目撃談がある。
『三途の川の踏切』の場所
| 住所 | 〒661-0033兵庫県尼崎市南武庫之荘12丁目20-68 |
| 最寄り駅 | JR甲子園口駅 |
| アクセス | 立花駅からは約1.6kmほど |
| 備考 | 踏切以外の場所から線路に入るのは、鉄道営業法違反です。 |
私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。
『三途の川の踏切』で過去に起きた事件・事故
人身事故
三途の川の踏切として語られる武庫川東踏切周辺では、新聞報道で確認できる人身事故が発生しています。
たとえば2012年には、甲子園口〜立花駅間の踏切付近で列車と男性が接触し、死亡する事故が伝えられました。詳細な件数や年代すべてを把握することは難しいものの、「実際に命が失われた場所」であることは事実です。
そのため、現地を訪れる際には、興味本位だけでなく、この場所で起きた出来事に思いを馳せる姿勢が欠かせないと言えるでしょう。
自殺・人身事故
三途の川の踏切が不穏な通称で呼ばれる背景には、「ここでは自殺や人身事故が何度も起きている」という噂話があります。
心霊系サイトや掲示板などでは、特定の日付に連続して飛び込み自殺があったといった証言も見られますが、それらすべてが公的な記録で裏付けられているわけではありません。
ただ、新聞で確認できる事故があることから、「危険で事故の多い踏切」という印象が地域やネット上で強まり、やがて現在の通称へとつながっていったと考えられます。
武庫川での水難事故の噂
踏切のすぐそばを流れる武庫川自体にも、過去の水難事故や自殺にまつわる噂が少なからず存在します。
増水時の流れの速さや川岸の地形も相まって、「川で命を落とした人がいる」「川に身を投げた人がいる」といった話が地元で語られてきました。
こうした川のエピソードと、すぐ上を横切る踏切での事故報道が重なり、「武庫川一帯は、事故や死と縁の深い場所」というイメージが形作られていったのでしょう。三途の川の踏切という名は、その象徴的な表現とも言えます。
心霊スポット化の理由を考察
「三途の川の踏切」が心霊スポットが心霊スポット化した理由は、この踏切周辺で実際に起きた人身事故が元になっていると考えられます。
これらの事故は、ニュースや新聞で報道されており、「命が失われた場所」という事実が近隣住民に知られているため、心理的瑕疵を生み出す要因になってしまったのでしょう。
また、この踏切で心霊現象を体験したという口コミが、ネット掲示板や動画配信で拡散され多くの人が情報を共有。訪問者が増えることにより噂がさらに拡散されていくという循環が出来上がったのだと考えられるのです。
また、深夜に列車がひっきりなしに通過し、川面からの風が吹き上げるという環境も、不気味さを増幅させる舞台装置になり得ます。
こうした「事故の記憶」「名前のインパクト」「メディアやネットでの拡散」「夜の景観」が組み合わさり、三途の川の踏切は典型的な都市型心霊スポットとして定着していったのでしょう。
訪問時の注意点
三途の川の踏切を訪れる際は、安全第一で行動してください。ここは実際に列車が高速で行き交う現役の踏切なので、踏切内で立ち止まったり、線路上に身を乗り出して撮影するのは絶対にやめましょう。
また、線路上に立ち入る行為は法律で禁止されているので、法令順守の意味でも行動には注意してください。
写真や動画を撮る場合は、必ず踏切の外側や堤防の上など、安全な場所から短時間で済ませましょう。
周囲はごく普通の住宅街です。夜間に大声で騒ぐ、長時間たむろする、路上駐車をするなどの行為は近隣への迷惑になります。
あくまで日常の生活道路をお借りしている意識を持ち、事故やトラブルを招かないよう静かに配慮しながら訪問することをおすすめします。
夜の心霊スポットはとても暗く危険です。
スマホの ライトだけでは足元が見えづらく、転倒や事故のリスクが高まります。
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まとめ
本記事では、尼崎市の武庫川東踏切が「三途の川の踏切」と呼ばれる理由や、場所・歴史・過去の事故情報を中心に整理しました。
実在する人身事故の記録や、武庫川一帯のイメージが重なり合う中で、心霊スポットとしての噂が広がっていったことが分かります。
ただし、ここは今も列車がひっきりなしに通る生活道路の一部です。興味本位での危険な行動は避け、過去に命を落とした人への敬意と、安全第一の意識を忘れずに向き合っていただければと思います。