東京都西多摩郡奥多摩町、日原街道にひっそりと佇む廃旅館「鍾乳苑」。
山深い清流沿いに建つ斜面型の和風建築で、かつては小規模ながら旅館として営業していました。
美しい自然景観に囲まれながらも、1990年代初頭にはすでに営業を終え、2000年代には廃墟化しています。
館内では首吊り自殺遺体の発見や、黄色い警察テープの痕跡があったとされ、事件性を匂わせる噂が広まりました。
その異様な雰囲気は口コミやネットを通じて拡散され、「鍾乳苑」は心霊スポットとして知られるようになります。さらに心霊番組での取材をきっかけに、全国的にも名を轟かせました。
本記事では、朽ち果てつつも残されている鍾乳苑について、噂される心霊現象や過去の出来事をご紹介します。
東京都の心霊スポット『鍾乳苑』とは







鍾乳苑(しょうにゅうえん)は、東京都西多摩郡奥多摩町・日原街道沿いの神庭沢バス停近くに位置する廃旅館です。
川沿いの崖斜面に張り付くように建てられた特異な立地が特徴で、平屋部分と三階建て部分から成る小規模な施設でした。
建物は和風山荘の趣を備え、敷地内には石灯籠や謎の石塔が点在していました。
さらに、沢の水を引き込んだ階段状の池と橋も設けられ、訪れた客が魚に餌を与えられるよう工夫されていたと伝えられています。
鍾乳苑は、1974年時点でその存在が確認されており、1980年代から1990年代初頭までは旅館として営業していたと考えられます。
廃墟内からは1992年のカレンダーや布団、食器などが発見されており、少なくとも1990年代前半までは営業していたことがうかがえます。
営業許可は1994年で終了しており、その後まもなく閉業したとみられます。2000年代初頭には、すでに廃墟として言及されていました。
2018年時点でも建物は現存していましたが、窓ガラスや壁面は大きく損壊し、著しく朽ち果てた状態にあります。
内の最奥部屋(2階または3階)で首吊り自殺があったという噂が広がり、その霊が建物内をさまよい怪奇現象を引き起こしていると語られています。
このことから、鍾乳苑は廃墟マニアや心霊ファンの間で広く知られる存在となりました。
また、立地の不自然さや敷地内に残された石塔などから「宗教施設だったのではないか」という憶測もありました。
しかし、建物自体に宗教的要素は確認されていません。
さらに、一時期は「浮浪者が居住している」という噂が流れたこともあります。
「鍾乳苑」は、その異様な雰囲気と心霊的背景から、心霊系メディアでも取り上げられてきました。
TBS系の心霊番組『世界の怖い夜 2016』では、出川哲朗さんと朝比奈彩さんがロケで館内に入る様子が放送され、一般の視聴者にも広く知られるようになりました。
こうしたテレビ番組での紹介や心霊サイトでの情報の拡散によって、「鍾乳苑」は東京都でも名を知られる廃墟系心霊スポットになっていったのです。
『鍾乳苑』で起こる心霊現象

幽霊の目撃情報がある
鍾乳苑では、過去に館内で首吊り自殺があったと語られています。
その影響からか、館内では男女の幽霊が目撃されたという噂が広まっています。
特に女性の幽霊については「その姿を見た者は呪われる」とまで言われ、冷たい視線や背後に立つ気配を感じたという体験談もあります。
中でも二階の右奥の部屋は事件現場と噂されており、立ち入った人が強い不安感や恐怖を覚えたとされています。
女性の幽霊もこの部屋で多く目撃されているそうです。
ポルターガイスト現象
鍾鍾乳苑では、自殺者の霊によるポルターガイスト現象が起きるという噂もあります。
ラップ音や家具の揺れ、不気味な影など、建物内で不可解な現象が起きると語られています。
また、精神的に追い詰められるような圧迫感を覚えたり、体の震えや原因不明の吐き気を感じたという体験談もあります。
さらに、カメラが故障したり、勝手にシャッターが切れるといった現象も報告されているようです。
ウワサされる心霊現象
- 幽霊の目撃談がある。
- 女性の幽霊を目撃すると呪われる。
- ポルターガイスト現象が起きる。
女性の幽霊が理不尽過ぎませんかね…
『鍾乳苑』の場所
| 住所 | 〒198-0212東京都西多摩郡奥多摩町氷川655 |
| 最寄り駅 | なし |
| アクセス | JR奥多摩駅より徒歩で約49分 |
| 備考 | 建物への無断立入は不法侵入に!内部は崩壊の危険性が高いです |
私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。
『鍾乳苑』で過去に起きた事件・事故

自殺者の噂
鍾乳苑では過去に、館内で首吊り自殺があったと語られています。
年代や詳細については不明ですが、二階または三階の最奥部屋で発見されたという話が残されています。
ただし、この件について正確な情報源は確認できておらず、あくまでも都市伝説の域を出ない噂として捉えておくべきでしょう。
首吊り遺体が発見されてから心霊スポット化したという噂もあるようです。
殺人事件
都市伝説や噂の域を出ませんが、鍾乳苑については「奥多摩周辺でバラバラ殺人事件があった」という話が語られることがあります。
詳しい情報や確かなソースは見つかっていないものの、建物には警察名が記された「トラテープ」が貼られているのが確認されています。
この存在が、「バラバラ殺人事件」に関する噂を一層強める要因となっているのでしょう。
鍾乳苑内で発生した事件ではありませんが、平成15年に鍾乳苑の周辺で女性の遺体が発見されています。遺体はバラバラに切断されていたそうです。この事件は「日原街道崖下女性殺人事件」として知られています。
この事件では、頭部が見つかっていないと言われています…。
宗教施設としての噂
鍾乳苑の周辺には、不思議なオブジェや石灯籠が残されています。
そのため、一部では宗教的な施設であったのではないかという噂が流れたこともあります。
ただし、これには根拠がなく、あくまでも都市伝説の一つとして捉えておくのが良いでしょう。
近隣住民の話によれば、宗教的な要素はなかったそうです。残されていた謎のオブジェや石灯籠の存在が、そうした噂の発端になったと考えられます。
『鍾乳苑』心霊スポット化の理由を考察

鍾乳苑が心霊スポットとして語られるようになった背景には、過去に起きたとされる事件が関係していると考えられます。
鍾乳苑の館内で自殺死体が発見されたという噂や、施設周辺で実際に発生した「日原街道崖下女性殺人事件(バラバラ遺体事件)」は聞く人に大きなインパクトを与えます。
こうした不穏な事件の噂と、廃墟化した施設が放つ不気味な雰囲気が結びついた結果、「鍾乳苑」は心霊スポットとして知られるようになりました。
さらに、「鍾乳苑」は過去にテレビ番組で取り上げられたこともあり、この放送をきっかけに「鍾乳苑=心霊スポット」というイメージが全国的に広まり、定着していったといわれています。
最近では、SNSを通じて情報が拡散されることで、鍾乳苑の知名度はさらに高まっていったと考えられます。
『鍾乳苑』訪問時の注意点
鍾乳苑を訪れる際は、現地の廃墟状態や立入制限を事前に確認しておきましょう。
無断で建物内に侵入すると不法侵入となるため、勝手に立ち入ることは絶対に避けてください。
また、廃墟内だけでなく施設周辺も民家や街灯が少ないため、夜間の訪問は怪我のリスクが高く、万が一の際には救助が遅れることも考えられます。
夜間に一人で訪問するのは大変危険なので、もし訪問する場合は昼間に複数人で行動しましょう。
昼間であっても、廃墟内は足元が崩れやすく、底抜けや落下事故の危険があります。
さらに、施設までの道も狭い山中にあるため、通行車両や野生動物にも十分注意が必要です。
まとめ
本記事では、東京都で心霊スポットと呼ばれる「鍾乳苑」の情報をご紹介しました。
鍾乳苑は、山深い奥多摩の自然の中に残る斜面型の廃旅館で、かつては風光明媚な和風宿泊施設でした。
しかし、1990年代初頭に営業を終え、2000年代には廃墟化しています。
館内で首吊り自殺があったとされる噂や、周辺で遺体が発見されたという話が広まったことをきっかけに、心霊スポットとして知られるようになりました。
立地の不気味さと、生活の痕跡を残したまま時間が止まったような空間が、「鍾乳苑」の噂と恐怖を一層強めています。
「鍾乳苑」を訪れる際には、安全と法的配慮を最優先にし、地元への迷惑を避けながら行動しましょう。

