
うーん…気のせい?
どうしたの?鏡の前で頭を抱えて…なにか悩みごとかしら?


多分、気のせいだと思うんですけど、鏡の端に血まみれの人が見えたような…。
あら?もしかしたら『ブラッディ・メアリー』かもしれないわね。


『ブラッディ・メアリー』…ですか?
そう『ブラッディ・メアリー』。都市伝説では有名な鏡に映る女性の幽霊よ。じゃあ、今日は世界でも有名な『ブラッディ・メアリー』の資料を紐解いていきましょうか。

「暗闇で鏡の前に立ち、特定の名前を呼ぶと怪異が現れる…。」
日本の『トイレの花子さん』のように、アメリカの子どもたちが肝試しとして必ず通る道と言っても過言ではない都市伝説があります。
その名は「ブラッディ・メアリー(Bloody Mary)」。
血まみれの姿で現れるとされるこの女性の伝説は、単なる子どもの遊びの枠を超え、数々のホラー映画やドラマの題材として世界中に広まりました。
この記事では、ブラッディ・メアリー伝説の起源、呼び出し方、隠された歴史的背景、そして彼女がもたらす恐怖について深掘りしていきます。
鏡に潜む怨念「ブラッディ・メアリー」とは⁉

ブラッディ・メアリーは、主に欧米圏の都市伝説に登場する女性の幽霊(怨霊)です。
彼女の姿は『長い髪の若い女性』『血まみれのドレスを着ている』『顔が恐ろしく歪んでいたり、傷だらけである』と描写されることが多いようです。
また、血まみれの赤ん坊を抱いているという目撃談もあり、その姿は多岐に渡ります。
ブラッディ・メアリーは、真夜中に明かりを消したバスルームなどの鏡の前に立ち、彼女の名前を特定の回数(一般的には3回)唱えることで姿を現すとされています。
日本の「コックリさん」のように、子供たちが肝試し感覚でスリルを求めて行う降霊術(おまじない)として定着していますが、そのルーツは非常に暗く、陰惨な歴史に彩られています。
ブラッディ・メアリーの血塗られた起源
ブラッディ・メアリーの正体については、複数の説が語られています。
なぜ彼女は鏡の中に囚われ、血に飢えた怪異となってしまったのでしょうか?ここでは、代表的な3つの説とブラッディ・メアリーを呼び出す方法を解説します。
ブラッディ・メアリーの正体とは?

①悲運と狂気の女王「メアリー1世」説
ブラッディ・メアリーの正体として、最も有名な仮説は、16世紀のイングランド女王メアリー1世であるという説です。
熱心なカトリック教徒だった彼女は、プロテスタントを激しく弾圧し、300人以上を火あぶりの刑に処したと伝えられています。
その非情な行いが原因となり、歴史上でも『ブラッディ・メアリー(血まみれのメアリー)』と呼ばれているのです。
また、彼女は偽妊娠(想像妊娠)を繰り返し、子供を持てずに亡くなったため、「子供を求めている(または探している)怨念」として語り継がれたそうです。
このような歴史的な事象から、ブラッディ・メアリーの正体はメアリー1世であるという説はオカルト界隈では根強く支持されています。
②血の伯爵夫人「エリザベート・バートリー」説
エリザベート・バートリーは、17世紀のハンガリーの貴族で、若さと美しさを保つため、数百人の若い処女を拷問して殺害!
その生き血の風呂に入っていたとされています。彼女はその陰惨な行いから『血の伯爵夫人』の異名で呼ばれました。
また、エリザベート・バートリーの叔父は悪魔崇拝者であり、彼女自身も幼少期から感情の起伏が激しく、衝動的な性格をしていたと言われています。
このような、口伝と「血まみれ」「鏡(美への執着)」というキーワードが合致したことで、ブラッディ・メアリーの正体と言われているようです。
③悲惨な死を遂げた「一般の女性」説
3つ目の説は、色々な説が混在しており、前述の2つの説よりも根拠に欠けています。
まずは、自分の子供を殺してしまった罪悪感で鏡の前で自殺した母親であるという説で、他にも、魔女狩りで処刑された「メアリー・ワース」という女性。
交通事故で顔が半分削ぎ落とされたまま亡くなった女子学生など、地域によって様々なバリエーションが存在するようです。
実行禁止⁉呼び出しの儀式とルール

ブラッディ・メアリーを呼び出す方法はシンプルだけど、いくつかのバリエーションと「追加ルール」が存在するの…。

資料的な意味合いで一応、紹介はするけど、人によっては強い恐怖や心理的影響を及ぼす可能性があるから、儀式を行わないことをおすすめするわ。もし実行するのなら…自己責任でお願いね!
大丈夫です!絶対にやりませんからッ!

儀式の手順
- 深夜(午前0時や午前3時が効果的とされる)に、鏡のある部屋へ行く。
- 部屋の照明をすべて消し、真っ暗にする。
- ろうそくに火を灯し、鏡の前に立つ。
- 鏡に映る自分の目を見つめながら、「ブラッディ・メアリー」とゆっくり唱える。
- 唱える回数は「3回」が一般的ですが、地域によっては「13回」や「100回」という過酷なバリエーションも存在します。
※さらに、名前を唱えながら「その場で3回スピン(回転)する」、「I stole your baby(私はあなたの赤ん坊を盗んだ)」と挑発的な言葉を付け加えることで、より凶悪な状態の彼女を呼び出すことができる確率が高くなると言われています。

あくまでも一般的な儀式の手順なので、他の方法も存在する可能性があることを覚えておいてね。
ブラッディ・メアリーがもたらす恐怖

儀式が無事に成功すると、鏡の中に血まみれの女性の姿が浮かび上がります。
しかし、ブラッディ・メアリーの恐怖は「見えるだけ」では終わりません。彼女を呼び出してしまった者には、以下のような惨劇が降りかかるとされています。

顔を引っ掻かれるとか、眼球をえぐられるとか…物理的なダメージが多すぎませんか⁉
だから言ったでしょう?彼女は、生者を激しく憎む怨念の塊なのよ。

伝説の裏に隠された「鏡への恐怖」の歴史
なぜ、ブラッディ・メアリーは「鏡」から現れるのでしょうか。
実はこの都市伝説の根本には、19世紀頃に若い女性たちの間で流行した「未来の夫を占う儀式」が隠されています。
当時、ハロウィンなどの夜に、若い女性が暗闇の中でろうそくと手鏡を持ち、階段を後ろ向きに上るという占いがありました。
無事に上りきって鏡を覗き込むと、そこに「未来の夫の顔」が映ると信じられていたのです。
しかし、もしその女性が結婚する前に命を落とす運命にあった場合、鏡には夫の顔ではなく「死神(頭蓋骨)」が映るとされていました。
古来より、鏡は「異界への入り口」や「魂を映し(吸い取り)捕らえるもの」として畏怖の対象でした。
この「暗闇の鏡には死が映るかもしれない」という根源的な恐怖と、歴史上の残虐な女性たちのイメージが長い年月をかけて融合し、現代の「ブラッディ・メアリー」という怪談へと変貌を遂げたのだと考えられています。
科学が証明する「脳と鏡のバグ」


うーん、儀式をやった人が『血まみれの顔』や『化け物』を見たって体験談、ネットにたくさんありますよね…。ただの噂にしては、妙に生々しくないですか?
ふふ、怪異現象の中には、人間の『脳』が引き起こすイタズラも隠れているのよ。実はブラッディ・メアリーの儀式は、心理学や脳科学の視点から見ると、また違う面が見えてくるの。


えっ⁉脳のイタズラってどういうことですか?それに心理学や脳科学って…。
じゃあ、ここから先は「オカルト」ではなく、「科学」の視点からブラッディ・メアリーの正体に迫ってみましょうか。

薄暗い部屋で、鏡に映る自分の顔をじっと見つめ続ける…。実はこの行動自体が、人間に幻覚を見せる強力なトリガーになることが分かっています。
イタリアの心理学者ジョバンニ・カプート博士が行った実験により、薄暗い環境で鏡を数分間見つめ続けると、被験者の多くが「自分の顔が変形した」「見知らぬ人の顔になった」「動物や怪物の顔に見えた」と報告しました。
これは「ストレンジ・フェイス・イン・ザ・ミラー錯視(カプート効果)」や、視覚の焦点を固定すると周辺の映像が歪んでしまう「トロクスラー効果」と呼ばれる脳の錯覚現象です。
暗闇の中で目から入る情報が極端に減ると、人間の脳は混乱し、足りない情報を自分の記憶や「怖いものが出るかもしれない」という恐怖心から勝手に補って映像を作り出してしまいます。
つまり、ブラッディ・メアリーの恐ろしい顔の正体は、幽霊ではなく「暗闇と恐怖によってバグを起こした、あなた自身の脳が作り出した幻覚」という可能性が高いのです。

脳のバグの可能性は理解できましたけど、物理的にケガをした話はどうなるんですか?
実は、物理的な被害も科学的に説明が出来るの…。ここで、外傷について考えられる科学的な考察をしてみましょう。

顔を引っ掻かれる、目をえぐられるといった物理的被害は前述の『カプート効果』や『ノセボ効果(ノーシーボ効果)』を使うことで、科学的に説明をつけることができます。
薄暗い場所で鏡を見続けることで『カプート効果』が起こり恐ろしい幻覚を見た人間は、極度のパニックに陥り、無意識に自傷行為を行う可能性が示されています。
また、『呪われた!顔を傷つけられる!』と強烈に思い込むと、『ノセボ効果』が働き、脳が誤作動を起こします。
その結果、自律神経や免疫系が暴走し、実際に皮膚に赤い発疹やミミズ腫れ(引っかき傷)を作ってしまう可能性があるのです。

ノセボ効果ってなんですか?あまり聞いたことがないですけど…。

ノセボ効果を簡単に説明すると、『思い込みによって悪い効果が出る現象』でプラセボ効果の逆の現象よ。有名なのは『ブアメードの水滴実験』かしら…。
現代のエンタメとブラッディ・メアリー
現代において、ブラッディ・メアリーはアメリカのポップカルチャーに深く根付いています。
ホラー映画『キャンディマン』は、このブラッディ・メアリー伝説を色濃く反映させた作品として有名です。
また、大人気海外ドラマ『スーパーナチュラル』の初期エピソードでも、鏡から現れて眼球を奪う恐ろしい悪霊として描かれ、世界中の視聴者を震え上がらせました。
YouTubeやTikTokなどのSNSでも、「午前3時にブラッディ・メアリーを呼んでみた」というチャレンジ動画が絶えず投稿されており、時代が変わっても人々の好奇心と恐怖心を惹きつけてやみません。
さらに、ブラッディ・メアリーの伝説はホラー作品だけでなく、実は身近な飲食の世界にも入り込んでいます。
居酒屋やバーでおなじみのカクテル「ブラッディ・メアリー(ブラッディ・マリー)」をご存知でしょうか?
ウォッカをトマトジュースで割った、まるで血のように真っ赤なこのお酒も、イングランドの女王メアリー1世、あるいはこの都市伝説が名前の由来になったと言われています。
面白いことに、このトマトジュースたっぷりの真っ赤なカクテルは、欧米では「二日酔いの迎え酒」として飲まれることが多いのです。
恐ろしい怪異の名前がついた血塗られたお酒が、人々の体調を癒やしていると思うと、なんとも奇妙なギャップを感じませんか?
まとめ
本記事では、世界で最も有名な鏡の都市伝説「ブラッディ・メアリー」についてご紹介しました。
この記事のポイント
- ブラッディ・メアリーは、暗闇の鏡の前で名前を呼ぶと現れる恐ろしい女性の怪異である。
- モデルは「メアリー1世」や「エリザベート・バートリー」など、陰惨な歴史を持つ女性とされている。
- 顔を引っ掻かれたり、鏡に引きずり込まれたりといった、物理的・精神的な大ダメージをもたらす。
- 伝説の起源は、19世紀の「未来の夫を鏡で占う(失敗すれば死神が映る)」という儀式から派生したと考えられる。
- 科学的な視点では、暗闇で鏡を見続けることで起こる「脳の錯覚(カプート効果)」が正体とも言われている。
鏡の中という、最も身近でありながら絶対に行き来できない「向こう側」の世界…。
そこに潜むブラッディ・メアリーは、人間の深層心理にある未知への恐怖を体現した存在なのかもしれません。

ブラッディ・メアリーが本物の幽霊でも、脳の錯覚でも怖いことには変わりないので、今後は暗いところでじっくり鏡を覗き込むのはやめておきます。
ええ、それが賢明ね。あなたが鏡を見つめている時、鏡の中の誰かもあなたのことを見ているかもしれないのだから…。


やめてくださいよ!明るい場所でも鏡を見れなくなっちゃうじゃないですか!
ふふ、きっと大丈夫よ…。さあ、資料を片付けてお茶にしましょう。

