
う、うう…こっちに来ないで…ハッ⁉
どうしたの?ひどくうなされていたみたいだけれど…。


ゆめの中に、眉毛が繋がった不気味な中年男性が出てきて、無言でこちらに近づいてきたんです💧
繋がった眉毛に、特徴的な薄毛…それ、もしかしたら『This Man(ディスマン)』かもしれないわ?


This Man? ですか?
ええ。何千人もの世界中の人々の夢の中に突如として現れ、ちょっとしたパニックを引き起こした謎の男よ。じゃあ今日は、この不気味な都市伝説の資料を紐解いていきましょうか…。

ゆめは、私たちの生命活動を支える重要な営みであると共に、未だ解明されていない点も多くある神秘的な世界です。
「夜に口笛を吹いてはいけない」といった伝承が世界中にあるように、ゆめの中にも一風変わった都市伝説が存在します。
それが、ゆめの中にだけ現れる謎の中年男性『This Man』です。
この記事では、『This Man』という不気味な男の都市伝説について、その起源や、後に発覚した衝撃の正体について迫ります。
ゆめの中に現れる謎の男「This Man」とは⁉

『This Man』は、ある時を境に、何千もの人のゆめの中に姿を現し始めた謎の人物です。
多くの人のゆめに出現しているのにもかかわらず、現実世界では決して姿を現さないと言われています。
世界中で「彼をゆめの中で見た」という証言が寄せられ、謎が謎を呼び、ネット社会における代表的な都市伝説として有名になりました。
彼が現れるゆめの内容は非常に多岐にわたります。
ただ無言でじっと見つめてくる恐ろしいものから、一緒に空を飛んだという不思議なもの、あるいはロマンチックな展開になるものまで様々だとされています。
忘れられない「不気味な容姿」
This Manの似顔絵を見た多くの人が、言葉にできない不安感や気持ち悪さを覚えるそうです。
それには、いくつかの視覚的な理由があると言われています。
不気味な容姿
- 特徴的なパーツの組み合わせ: 左右が繋がった太い眉毛、大きく後退した生え際(薄毛)、そしてどこか焦点の合っていない虚ろな大きな目。それぞれのパーツは平凡ですが、組み合わさることで強い違和感を生み出しています。
- 不気味の谷とモナ・リザ効果: 彼の口元は、無表情のようにも、かすかに微笑んでいるようにも見えます。また、どの角度から見ても「目が合っている」ように錯覚させる構図になっており、人間の脳が本能的に警戒する「不気味の谷」現象を引き起こす絶妙なバランスで描かれているのです。
This Manの4つの行動パターン
This Manが現れるゆめの内容は、見る人によって全く異なります。
報告されている数千件の証言を分析すると、大きく以下の4つのパターンに分類されます。
This Manの行動パターン
- 静かなる観察者(サイレント・オブザーバー):最も多いのがこのパターンです。ベッドの足元、部屋の隅、あるいは鏡の中などに彼が突如として現れ、何も喋らずにただじっとこちらを見つめてきます。危害は加えないものの、目覚めた後に強烈な恐怖感と冷や汗を残します。
- 狂気の追跡者(チェイサー):恐ろしい悪夢の定番です。見知らぬ暗い夜道や、出口のない建物の中で、彼が執拗に追いかけてきます。「捕まったら殺される」という強い恐怖を伴い、逃げ切る直前や、追いつかれた瞬間にハッと目を覚ますことが多いとされています。
- 導き手・助言者(ガイド):不思議なことに、彼に助けられる人もいます。人生の岐路に立っていたり、深い悩みを抱えている人のゆめに現れ、的確なアドバイスや、心を軽くするような慰めの言葉をかけてくれるのです。中には彼を「神」や「天使」の使いだと感じる人もいます。
- ロマンチックな恋人:最も意外なのがこのパターンです。ゆめの中で彼と恋に落ち、甘い時間を過ごしたという証言も少なくありません。一緒に空を飛んでデートをしたり、中には性的な関係を持ったという生々しい報告もありました。
世界的な大パニックと拡散の規模
2006年にニューヨークの精神科で発見されたこの奇妙な共通項は、インターネットを通じて爆発的に拡散されました。
「ThisMan.org」という専用のウェブサイトが開設されると、彼の手配書(似顔絵に「彼を見たことがありますか?」と書かれたポスター)は、数十ヶ国語に翻訳されました。
そして、ロンドン、ベルリン、ローマ、モスクワ、東京、ニューデリーなど、世界中の主要都市の電柱や掲示板に実際に貼り出されたのです。
その結果、「私も見たことがある!」という報告が世界中から数千件以上も殺到。
マスメディアもこぞってこの謎の男を取り上げ、「人類の集合的無意識の現れか?」「新種の精神疾患か?」と、ちょっとしたパニック状態を引き起こしました。
「This Man」恐怖の始まり

『This Man』の物語の始まりは、2006年1月にひとりの女性がニューヨークの精神科のドアを叩いたところから始まります。
女性は悩みを聞いた医師に対し「見知らぬひとりの男が、ゆめに何度も現れる!」と訴えました。
医師が夢に出てくる男性の顔を描かせたところ、非常に特徴のある男性の似顔絵が完成しました。
しばらく後のことです。その似顔絵を偶然ほかの男性患者が見て、「自分もその男をゆめで見た」と言い出したことで事態は動き始めます。
気になった医師が4人の同業者にこの似顔絵を送ったところ、他の精神科医が担当する患者たちからも「その男性をゆめで見たことがある」という証言が次々と飛び出したのです。
さらに奇妙なことに、どの患者も「ゆめで男を見たことはあるが、現実では見たことがない」と答えました。
こうして、このゆめの中の男性は『This Man』と名付けられ、専用のウェブサイト(ThisMan.org)を通じて手配書が世界中に拡散されることになったのです。
『This Man』が夢に現れる理由(当時の考察)
- 模倣夢説:This Manの話を聞いた、または似顔絵を見た人が、無意識に彼を強く意識してしまったために夢に出てきた。
- 記憶の補完説:ゆめの中で会った人の顔の記憶があいまいで、思い出そうとする際にThis Manの強烈な似顔絵で脳が記憶を上書きしてしまう。
- 集合的無意識説:心理学者ユングが提唱した、全人類が共通して持つ無意識のイメージ(元型)が具現化した姿である。
- 神の顕現説:This Manは神、あるいはそれに類する超常的な存在が具現化した姿である。
- 企業陰謀説:特定の企業が、人々に精神的な条件付けを行ってThis Manの夢を見せている。
暴かれた正体と、新たに判明した真実

世界中を恐怖と混乱に陥れた『This Man』ですが、実はその真相はすでに判明しています。
噂が拡散され始めた頃から「これは何かの『ゲリラ・マーケティング』ではないか?」と疑う声がありました。
調査を進めた人々は、ThisMan.orgのドメインをホストしている企業が、イタリアの「guerrigliamarketing.it(ゲリラマーケティング・ドット・イタリア)」というサイトも運営していることを突き止めます。
そして2010年以降、社会学者でありマーケティングの専門家であるアンドレア・ナタレ氏が、This Manは完全な作り話(バイラルマーケティング)であったことを公式に認めました。
さらに近年の調査によって、以下の事実も判明しています。

なんだぁ…映画の宣伝のための作り話だったんですね!ちょっとホッとしました。
そうね。でも、映画が作られなかったせいで『正体不明の謎の男』として独り歩きし、世界中のメディアやサブカルチャーに多大な影響を与えたことは事実よ。日本の漫画やテレビドラマでもモチーフにされているくらいだしね…。


実際に映画がつくられなかったのは少し残念ですね。ちょっと見てみたかったかも。
あら、制作会社は違うけれど、日本で撮影された『THIS MAN』が2024年に公開されているわよ。


え⁉そうなんですか!日本で撮影されたなんて、びっくりですね!
まとめ
本記事では、ゆめの中に出現する謎の男『This Man』についてご紹介してきました。
This Manは、仕掛け人が虚偽の存在であることを発表した後も、しばらくの間は現実のものとして取り扱われていました。
その事ひとつをとっても、インターネットの拡散力と、人間の心理が持つ「思い込みの力」の凄まじさが理解できます。
『This Man』は現在でも多くの媒体で作品化されており、人々の興味を引き続けています。興味を持った方は是非、彼を題材にしたホラー作品などに触れてみてはいかがでしょう?

でも、This Manがマーケティングのための作り話だと分かって安心しました!これで今夜からはゆっくり眠れそうです!
それはどうかしら?確かに発端は作り話だったかもしれないけれど、世界中の何千万人もの人々が彼の顔を認知し、『ゆめに現れる』と強く信じ込んだことで、This Manが現実世界に出現してしまったという見方もあるそうよ。

今夜、あなたが眠りに落ちたとき、あなたのゆめの隅で、またThis Manがじっと見つめているかもしれないわよ?


えええっ⁉ そんなこと言われたら、絶対に顔を思い出してゆめに出てきちゃうじゃないですかーー!💦
