大阪府和泉市にある黒鳥山公園(くろとりやまこうえん)は、春になると満開の桜が咲き誇り、家族連れやカップル、ジョギングを楽しむ人々で賑わう、市民に親しまれている憩いの場です。
見晴らしの良い丘陵地に広がる園内には、遊具広場や散策路、池などが整備されており、四季折々の自然を楽しめるスポットとして知られています。
特に桜の季節には、夜間のライトアップも行われ、多くの花見客で活気に満ちています。
そんな明るく開放的な印象とは裏腹に、夜の帳が下りると、この公園はまるで別の顔を見せるとも囁かれています。
中心部にそびえる忠霊塔や戦没者の慰霊碑には、古くから“何か”が宿っているとされ、夜間に訪れた人々の間では、不可解な現象や不気味な目撃談が語り継がれてきました。
本記事では、黒鳥山公園がなぜ「心霊スポット」として語られるようになったのかをご紹介します。
大阪府の心霊スポット『黒鳥山公園』とは




「黒鳥山公園」は、大阪府和泉市黒鳥町4丁目に位置する、市民の憩いの場として親しまれている総合公園です。
市街地中心の和泉府中駅から東へ約2kmの場所にあり、徒歩やコミュニティバスでもアクセス可能です。
1960年(昭和35年)に都市計画公園として整備が開始され、開設当初の面積は約8.25ヘクタールでしたが、現在は約11.6ヘクタールに拡大され、総合公園として整備されています。
公園は小高い丘陵の端部に位置し、坂道や階段が多く、山上の広場に向かって緩やかに開けた構造となっています。
北側には整備された花壇や噴水、親水デッキ、展望台などがあり、西洋風の庭園的な風景が広がります。
一方、南側には自然の斜面が残され、農地の名残を感じさせる穏やかな田園風景が広がっています。
園内には、ソメイヨシノを中心に約700〜780本の桜が植えられており、春には桜まつりや夜桜のライトアップが開催され、多くの花見客で賑わいます。
また、時計塔を中心に、山上には遊具広場と多目的広場が整備されており、大型複合遊具やターザンロープなど、子どもたちに人気の遊び場となっています。
近年では、2023年3月より約580㎡の無料ドッグランも設置され、犬を飼っている家庭にも好評を得ています。
黒鳥山公園は、戦時中には旧日本陸軍野砲兵第4連隊などの練兵場に隣接しており、「信太山陸軍墓地」が存在していた場所に整備されました。
1942年(昭和17年)には、戦没者を納骨するための「信太山忠霊塔」が建立され、約1,560柱の骨壺と位牌が納められました。
さらに、1901年(明治34年)に明治天皇の陸軍大演習視察を記念して建立された「天皇駐蹕碑(ちゅうひつひ)」も現存しており、当時の軍事的背景と地域との深いつながりを今に伝えています。
忠霊塔は高さ約13メートル、塔本体は幅2.0メートル×奥行2.25メートル、下部の納骨堂は幅9.5メートル×奥行5.5メートルにおよび、周囲の浄域を含めると2,000㎡を超える規模を誇ります。
現在も市街地を見下ろす丘の上に静かに佇む、荘厳な建造物です。
太平洋戦争後、和泉市はこの旧軍用地を市民のための公園として再整備する方針を立て、1960年より都市計画公園としての整備が開始されました。
忠霊塔や記念碑といった遺構は文化財として保存され、歴史の記憶と公園機能とを両立させた開放的な空間として現在に至ります。
以来、黒鳥山公園は四季折々の自然を楽しむ散策路や、季節のイベント、家族連れの遊び場として、多くの人々に親しまれ続けています。
『黒鳥山公園』で起こる心霊現象

池に幽霊が現れる
黒鳥山公園の北東側、駐車場付近にある小さな池は、夜間になると「心霊現象が多発する場所」として知られています。
水面に白く不自然な光が漂ったり、誰もいないはずの場所に黒い影のような人影が映り込んだりといった目撃談が報告されているようです。
地元では、「忠霊塔に祀られた戦没者の霊がさまよっている」「過去に池で命を絶った人の霊が現れる」といった噂が語られています。
また、池の周囲では、耳鳴りや吐き気を感じたり、何者かに背後から押されたような感覚を受けたりするなど、身体的な異変が起こるとも言われており、現地には独特の異様な雰囲気が漂っているようです。
忠霊塔の写真に写り込むオーブ
忠霊塔を訪れた人が写真を撮影すると、「オーブ(球状の光)」が写り込むことがあると言われています。
特に夜間や曇天時には、塔を撮影した写真や動画に、肉眼では見えなかった白や青白い光の粒が複数映り込むことがあるそうです。
黒鳥山公園の忠霊塔では、「慰霊碑に向けて撮影したときだけ現れた」「撮影直前に急に寒気を感じた」といった体験談も報告されています。
オーブが複数写ったという写真は、SNSやブログにも投稿されており、忠霊塔周辺が“写真に異変が起こりやすい場所”として知られる要因のひとつとなっているようです。
忠霊塔前で花火をするとドアが叩かれる
黒鳥山公園の忠霊塔周辺では、夜間に花火を楽しんでいた若者たちが、「ドンッ」「バンッ」といった重く鈍い音を聞いたという体験談が語られています。
彼らが音の発生源を探ったところ、それは忠霊塔の扉付近から聞こえていたように感じられ、中には「明らかに内側から叩かれていた」と証言する人もいました。
忠霊塔は通常、内部への立ち入りができない構造であり、人が中にいるはずもありません。
そのため、この不可解な音の正体は、今もなお謎に包まれたままです。
戦時中の兵士の霊の目撃
黒鳥山公園では、かつてこの地が信太山陸軍墓地として使用されていたことから、戦時中の軍人と思われる霊の目撃談が噂されています。
中でも印象的なのが、「戦時服姿の男性たちが列をなして歩いていた」という話です。
その霊たちは無言で整然と行進していたといわれています。
また、「隊列の中の数人がこちらに顔を向けたが、撮影したカメラにはその姿がまったく映っていなかった」という噂もあり、視認できたのに記録には残らないという現象がおきるそうです。
います。公園全体に漂う荘厳な空気は、ただの雰囲気ではなく、こうした歴史と霊的背景が交錯する場であることの証なのかもしれません。
ウワサされる心霊現象
- 深夜になると池に幽霊が現れる。
- 忠霊塔で写真を撮るとオーブが写り込む。
- 忠霊塔前で花火をするとドアが叩かれる。
- 戦時中の兵士の霊の目撃談がある。
『黒鳥山公園』の場所
| 住所 | 〒594-0022 大阪府和泉市黒鳥町4丁目531-1他 |
| 最寄り駅 | 信太山駅から徒歩約27分(約2.1km) 和泉府中駅から徒歩約28分(約2.2km) 信太駅から徒歩約40分(約3.2km) |
| アクセス | 堺泉北有料道路「取石IC」から国道26号経由で約5km約10分程度 |
| 備考 | 忠霊塔の内部は立ち入り禁止です。無断で近づいたり侵入したりしないで下さい。 |
私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。
『黒鳥山公園』で過去に起きた事件・事故
黒鳥山公園には、戦時中の記憶を今に伝える施設や碑が数多く残されています。
忠霊塔や天皇駐蹕碑といった歴史的遺構に加え、かつては謎の頭蓋骨が発見されたという出来事もあり、意外にも見逃せない過去がこの地には刻まれているようです。
戦没者を祀る忠霊塔
黒鳥山公園の丘陵部には、平洋戦争期に戦没した兵士たち約1,560柱の遺骨や位牌が安置されている「忠霊塔」がそびえています。
忠霊塔は、1942年(昭和17年)に信太山陸軍墓地の中心施設として建立され、現在も慰霊の場として手厚く管理されています。
この地はかつて、旧日本陸軍の高射砲陣地や軍施設が置かれていた軍事拠点であり、多くの兵士たちが訓練・駐屯していました。
そのため、戦争と深く結びついた土地柄となっており、忠霊塔の存在は地域全体に霊的な象徴性をもたらしています。
自殺者と遺骨発見
2014年11月6日、大阪府和泉市の黒鳥山公園にある駐車場の北東側、遊歩道沿いの休憩所付近で、60歳前後と推定される女性の頭蓋骨が発見されました。
官報には「死後5年以上経過」と記録されており、身元不明の行旅死亡人として取り扱われています。
この件に関して警察は事件性を否定しており、自殺や事故の可能性も示唆されています。
こうした遺骨発見という実際の出来事が、自殺や事故といった負のイメージと結びつき、心霊的な印象を与える一因となっているようです。
戦争施設の名残と地元の語り
黒鳥山公園の高台一帯は、かつて旧日本陸軍の高射砲陣地や演習場が設けられていた軍事施設の跡地です。
現在も園内には、1901年(明治34年)に明治天皇が陸軍の大演習を観覧されたことを記念する「天皇駐蹕碑(ちゅうひつひ)」が残されています。
これらの史跡は、黒鳥山公園が日本の近代軍事史と深く関わっていたことを今に伝えています。
また、隣接する信太山演習場も旧陸軍の時代から続く由緒ある施設であり、現在では自衛隊の訓練地として活用されています。
『黒鳥山公園』心霊スポット化の理由を考察

黒鳥山公園が心霊スポットと呼ばれるようになった背景には、戦禍の記憶が色濃く残る土地柄が影響していると考えられます。
忠霊塔に祀られた戦没者の魂や、第二次世界大戦中に使用されていた軍事施設の跡など、歴史的な出来事を示す建造物が、霊的な印象を強める要因となっているのでしょう。
さらに、公園内で発見された謎の遺骨の存在が、事故や自殺といった負のイメージと結びつき、心霊現象を想起させる一因となっています。
これらの事実や噂が、口コミやYouTube、ブログを通じて拡散されたことに加え、「戦時中の重要な拠点であった」という具体的な歴史も相まって、黒鳥山公園は心霊スポットとして認識されるようになったのではないでしょうか。
慰霊碑やお墓を心霊現象と結びつけるのは本来不遜なことではありますが、実際には地元の住民や子どもたちの間で、心霊的な噂が語られているのが現状なのでしょう。
『黒鳥山公園』訪問時の注意点
黒鳥山公園を訪れる際は、公園内に街灯が少なく非常に暗いため、できるだけ昼間に訪問することをおすすめします。
やむを得ず夜間に訪れる場合は、懐中電灯やヘッドライトを必ず携帯し、湿気の多い池や遊歩道では滑りにくい靴を履いて、足元に十分注意してください。
また、過去に遺骨が発見された経緯を踏まえ、場所の歴史に敬意を払い、軽率な行動は慎みましょう。
大声を出すことは地元住民への迷惑となるため、絶対にやめてください。
さらに、無断での立ち入りや深夜の長時間滞在は、警察や管理者に発見される可能性があり、トラブルの原因となるおそれがあるため、控えるようにしましょう。
まとめ
本記事では、大阪府の「黒鳥山公園」についてご紹介しました。
黒鳥山公園は、春には桜の名所として多くの人々に親しまれていますが、夜になるとその表情は一変します。
戦没者の魂が祀られた忠霊塔や、明治天皇が陸軍の大演習を観覧したことを記念する「天皇駐蹕碑(ちゅうひつひ)」は、戦争の記憶を今に伝える存在です。
また、過去に謎の遺骨が発見された事実が、心霊的な噂を生み出し、公園全体に不気味な雰囲気を漂わせているのかもしれません。
深夜に訪れた人々が体験したとされる心霊現象は、YouTubeやブログ、SNSを通じて語り継がれ、やがて黒鳥山公園は心霊スポットとして知られるようになっていきました。
しかし、この公園は本来、戦没者の魂が安らかに眠る場所です。
訪問の際には、歴史的背景や過去の出来事の重みを理解し、安全とマナーを最優先に行動しましょう。
面白半分で深夜に訪れ、大声で騒ぐような行為は慎みましょう。

