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群馬県の心霊スポット『はねたき橋』悲劇の姫君が女性を誘う⁉

渡良瀬川がつくった「関東の耶馬渓」・高津戸峡。その渓谷をまたぐように、白い三角形の橋脚が空へ伸びるはねたき橋は、四季折々の景色が楽しめる人気の散策スポットです。

春の新緑、秋の紅葉シーズンには、川面を渡る風と水音の中で、のんびり橋を渡る人の姿が絶えません。

一方で、この場所には「夜になると、少しだけ雰囲気が変わるらしい」という、ささやかな噂もあります。

誰もいないはずなのに足音がした、胸騒ぎがして足早に橋を渡った…そんな小さな体験談が、いつからか囁かれるようになりました。

この記事では、観光地としての顔を大切にしつつ、はねたき橋にまつわる「ほんのり怪談めいた一面」をそっと覗いてみたいと思います。

この記事は2025/11/28に加筆修正しています。

群馬県の心霊スポット『はねたき橋』とは

はねたき橋(鱍瀧橋・はねたきばし)は、群馬県みどり市・大間々町の高津戸峡(たかつどきょう)に架かる歩行者専用橋です。

渡良瀬川の渓谷をまたぐように白い三角形の塔が立ち上がり、周囲の山や川と一体になった景観が「関東の耶馬渓」とも呼ばれています。

「はねたき橋」という名前は、橋の下の岩に川の水がぶつかって跳ね、飛び散る水しぶきが“滝”のように見えることに由来し、漢字では「鱍瀧橋」と書きますが、案内板などはひらがな表記が一般的です。

現在の橋は近年整備された比較的新しい姿ですが、名称としての「鱍瀧橋」は1953(昭和28)年に別の場所から移設された歴史を持っています。

もともとは、旧黒保根村の水沼〜八木原間に架かる「五月橋」という歩行者用吊橋で、それが大間々町に移され、「鱍瀧橋」と改称された、と地元の記録で紹介されています。

観光記事ではあまり触れられませんが、「場所を変えて受け継がれてきた橋」という背景を知ってから眺めると、少しだけ特別な気分に浸ることができそうです。

はねたき橋の4月〜初夏にかけては、谷をおおう木々の新緑が鮮やかで、渓流の水音と相まってとても爽やかな雰囲気になります。

遊歩道沿いにはゴリラ岩やポットホールなど、自然が作り出した奇岩も点在し、散策しながら小さな発見が楽しめるのが特徴のひとつです。

秋になると、高津戸峡は一面の紅葉に包まれ、ブナ、クヌギ、ナラ、モミジなどの木々が色づき、はねたき橋からは赤い高津戸橋と渓谷の紅葉を一望できる絶景ポイントに。

見頃は例年11月上旬〜下旬頃とされ、紅葉情報サイトでも毎年紹介される定番スポットです。

橋の床には、全国から寄せられた“鳥や花”などを描いたタイルが約120枚埋め込まれています。

足元に目をやりながらゆっくり渡ると、景色だけでなく細かなデザインも楽しめる、ちょっとした屋外ギャラリーのような散策を楽しめます。

『はねたき橋』で起こる心霊現象

白い服の女性の姿が見える

はねたき橋でもっとも多く語られるのが、白い服を着た女性の姿が見えるという現象です。

夜の橋の上で、欄干の近くに誰かが立っていると思ってよく見ると、白っぽいワンピースのような服装の女性が、川の方をじっと見下ろしているように見えることがあるといわれます。

振り返った瞬間に姿が消えたり、写真を撮ったときだけ写っていたりと、目撃談のパターンもいくつか存在します。

橋の下から声やうめき声が聞こえる

静かな夜のはねたき橋では、下を流れる渡良瀬川の水音に混じって、橋の下から人の声のような音が聞こえることがあるとされます。

はっきりした言葉には聞き取れず、かすれた話し声や、低いうめき声のように感じられるという証言が多いようです。

周囲を見回しても姿は見えず、橋の上には自分たちしかいないはずなのに、耳元にだけその音がまとわりつくように聞こえるのが不気味だと語られています。

川面や岩場に人影・顔が浮かんで見える

はねたき橋から下を覗き込むと、川面や岩場に人影のようなものが見えることがあるとされます。

水面に黒っぽい影が浮かんで立っているように見えたり、岩肌の模様が顔の輪郭や目鼻のように見えて、じっとこちらを見上げているように感じられるそうです。

写真に撮ると、肉眼では気づかなかった影や顔が写り込んでいた、というパターンも語られています。

女性や赤ちゃんの泣き声が聞こえる

夜のはねたき橋周辺では、ときおり女性のすすり泣きのような声や、赤ちゃんの泣き声のような高い声が聞こえるという噂もあります。

近くには住宅も少なく、時間帯的にも子どもの声が聞こえるはずがない状況で、風や水音とは別の、はっきりした「泣き声」のように耳に届くといわれます。

声の方向を確かめようとしてもどこからともなく響き、耳をふさいでも頭の中で鳴り続けているように感じられることがあるそうです。

橋の下へ引き込まれそうになる感覚

はねたき橋の中央付近に立つと、足元がふらつき、まるで下に引き寄せられるような感覚に襲われるという話もあります。

特に夜、欄干越しに川面をじっと見つめていると、視界がぐらりと揺れ、身体ごと前に傾いてしまいそうな強いめまいに近い感覚が生じるそうです。

背後から誰かに軽く背中を押されたように感じて慌てて欄干をつかんだ、という声もあり、「橋の下へ引き込まれそうで怖くなった」という体験として語られています。

ウワサされる心霊現象

  • 白い服の女性の姿が見える
  • 橋の下から声やうめき声が聞こえる
  • 川面や岩場に人影・顔が浮かんで見える
  • 女性や赤ちゃんの泣き声が聞こえる
  • 橋の下へ引き込まれそうになる感覚

『はねたき橋』の場所

住所〒376-0113 群馬県みどり市大間々町高津戸
最寄り駅わたらせ渓谷鐵道 / 東武桐生線
「大間々(おおまま)駅」
アクセス大間々駅 → はねたき橋まで徒歩で約10〜15分
備考渓谷は、曇りや夕方以降だと一気に暗くなります。要注意です。

私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。

『はねたき橋』で過去に起きた事件・事故

高津戸城のお姫様にまつわる伝承

かつて高津戸峡を見下ろす要害山の上には、高津戸城という山城がありました。

戦乱のさなか、城は敵勢に囲まれ、城内は次第に追い詰められていきます。やがて味方であるはずの武将が敵方に寝返り、城主一族は裏切りによって滅ぼされた――そのとき、城主の娘である姫もまた、逃げ場を失いました。

姫は捕らえられて辱めを受けることを良しとせず、自ら渡良瀬川へ身を投げたとも、家臣により崖から突き落とされたとも伝えられます。

冷たい川面に沈んでいく瞬間まで、姫は裏切った者たちへの強い怨みと、この地に縛りつけられた無念を抱え続けたといわれます

その後、姫の魂は渡良瀬川と高津戸峡一帯をさまよい続け、時おり川面や橋の上に白い姿を現すようになった…特に女性が一人で通りかかると、その足元をふらつかせ、橋の下へと誘おうとするという噂もあります。

現代のはねたき橋で目撃される白い服の女性の正体は、この高津戸城のお姫様なのだ、と語る人も少なくありません。

なお、このお姫様の物語は史料で裏付けられた歴史というより、「高津戸城の落城」と「渡良瀬川の投身」を組み合わせて生まれた後世の伝承・怪談として扱われています。

2016年夏の無理心中事件

2016年の夏、はねたき橋の近くで、とても痛ましい出来事が起こりました。夜明け前、橋のそばに停められた一台の車と、橋の中央付近に置かれた脚立が見つかります。

その後の捜索で、渡良瀬川の下流から女性の遺体が発見され、幼い子どもたちも巻き込まれた無理心中とみられる事件として報道されました。

詳しい事情や、当事者の心境が明らかになることはありませんでしたが、この出来事をきっかけに、はねたき橋周辺では自殺防止の看板や見守りの体制が強化されたと言われています。

静かな景色の裏側で、そうした悲しい出来事があったことを忘れないようにしつつ、同じことを繰り返さないための場所でもあるという視点を持っておくことが大切かもしれません。

この話題に触れていてつらくなったときは、無理に考え続けず、信頼できる人や専門窓口(いのちの電話など)に相談してくださいね。

短期間に多数の投身自殺があったという噂

はねたき橋は、高津戸峡の美しい景観が楽しめる一方で、インターネット上では「自殺の名所」として語られてしまう側面があります。

過去に痛ましい投身事案が報道されたことや、「短期間に多くの人が命を絶った」という真偽不明の噂が広まり、心霊系サイトやまとめ記事を通してそのイメージだけが一人歩きしてきた印象があります。

「吊り橋だった頃、3日おきに4人が飛び込んで3週間で13人亡くなった」「40日間で15人が投身した」などの話が聞かれるようです。

しかし、具体的な件数や年代を裏付ける公的な統計は見つからず、多くは伝聞や都市伝説の域を出ない情報であることも忘れてはいけません。

一方で、実際に悲しい出来事が起きた場所であることから、自治体は自殺防止の看板や見守り体制の強化など、再発を防ぐための対策を進めてきました。

心霊スポット化の理由を考察

はねたき橋が「心霊スポット」として語られるようになった背景には、いくつかの要素が重なり合っていると考えられます。

まず大きいのが、地形と景観そのものが持つ【物語性】です。深い渓谷をまたぐ高い橋、欄干の向こうに落ちていくような川面、昼と夜で印象がガラリと変わる風景。

それだけで「もしここから落ちたら」「夜に一人で渡ったら」という想像を呼び込みやすい場所です。そこへ、霧や逆光、風の音などが重なると、ちょっとした違和感や恐怖体験が 怪談のタネ として語られやすくなります。

次に、実際に起こった痛ましい出来事の存在です。報道された無理心中事件など、「ここで命が失われた」という情報が一度人々の記憶に刻まれると、その記憶は「悲しい場所」「重い場所」というイメージとなって残ります。

そこへ「自殺の名所」という言葉が半ばキャッチコピーのように使われはじめると、そのイメージは事実以上に膨らみ、「幽霊が出るらしい」という心霊的な噂へと結びつきやすくなります。

さらに、高津戸城のお姫様の伝承のように、「旧城跡+悲劇の女性」という日本怪談の王道パターンと結びつけやすい物語が近くにあることも大きな要因です。

高い橋で目撃される白い服の女性は、こうした既存の物語と結びつけられることで、「高津戸城の姫の霊」という分かりやすいキャラクターとして再解釈され、語り継がれていきます。

最後に、インターネットとメディアによる拡散も欠かせません。心霊スポットを紹介するサイトや動画は、「自殺の名所」「最恐スポット」といった刺激的な言葉を好みます。

一度そうした形でラベリングされると、検索結果も「心霊」「ヤバい」「自殺」などのキーワードで埋まり、「怖い場所」という印象だけが独り歩きしやすくなります。

実際には観光地としての側面のほうが圧倒的に強いにもかかわらず、ネット上では“怖い話”のほうが記憶に残りやすい、という情報の偏りも心霊スポット化を後押ししていると言えるでしょう。

訪問時の注意点

高津戸峡周辺は遊歩道や階段が多く、雨上がりや落ち葉の季節は特に滑りやすくなります。

歩き慣れたスニーカーなど、滑りにくい靴で出かけましょう。夜間に行く場合でも、サンダルやヒールは避けたほうが安全です。

懐中電灯を持参する場合は、足元の確認を中心に使い、対向者の目を直接照らさないよう配慮しましょう。

また、橋の欄干に腰掛けたり、身を乗り出して川を覗き込む行為は非常に危険です。

写真撮影の際も、「もう一歩前へ」と欲張らず、安全な位置からズームを使って撮るのがおすすめです。

遊歩道沿いでも、ロープや柵の外側には絶対に出ないようにしてください。増水時や強風時は、無理に橋や渓谷沿いを歩かず、天候の良い日にあらためて訪れる判断も大切です。

周辺には住宅地もあり、車の出入りや話し声は想像以上に響きます。

深夜の訪問や長時間の路上駐車、大声での会話・奇声、クラクション、音楽を流しながらの走行などは、近隣住民の迷惑になるだけでなく、通報につながる可能性もあります。

心霊目的であっても、「あくまで観光地・生活圏の一部」であることを意識し、日中の訪問や静かな見学を心がけましょう。

夜の心霊スポットはとても暗く危険です。
スマホのライトだけでは足元が見えづらく、転倒や事故のリスクが高まります。

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まとめ

はねたき橋は、本来は高津戸峡の美しい景色を楽しめる散策スポットでありながら、過去の出来事やさまざまな噂が重なって「心霊スポット」としても語られるようになった場所です。

白い女性の影や、川面から聞こえる声といった体験談は、真偽は分からないものの、この土地に積み重なった記憶や、夜の渓谷が持つ独特の空気を象徴しているのかもしれません。

この記事では、はねたき橋の心霊的な一面を紹介しましたが、決して危険な時間帯の訪問や無茶な行動をすすめるものではありません。

もし訪れるなら、マナーと安全に気を配りつつ、静かな渓谷の気配の中で「この場所にどんな物語が積み重なってきたのか」をそっと想像してみてください。

怖い話の向こう側に、人の暮らしや悲しみが確かにあったことも、併せて心に留めておきたいものです。

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