日本各地には、その歴史や出来事に起因して心霊スポットとして知られる場所が数多く存在します。
その中でも、「死入道峠」(現在の「笹ヶ峠」)は特に異彩を放つ場所です。
この峠は、かつての「姥捨て」という悲しい風習や殺人事件の噂など、不吉な印象がつきまとう場所として知られています。
その名の通り、「死へ入る道」と呼ばれるこの峠は、不気味さを感じさせ、多くの人々に悲しみや恐怖の強い印象を与えてきました。
本記事では、愛媛県にある心霊スポット「死入道峠」の情報をご紹介します。
県の心霊スポット『死入道峠』とは
『死入道峠(しにゅうどうとうげ)』は、愛媛県松山市に位置する峠です。
標高約359メートルのこの峠は、松山市庄府と今治市玉川町龍岡下を結ぶ県道17号線上にあります。
死入道峠の先にある高縄山は、江戸時代に「姥捨て山」として利用されていたと伝えられています。
家族が高齢で働けなくなった親族を山に捨てる際、この峠を通ったことから、「死へ入る道」と書いて死入道峠と名付けられたとされています。
現在では、地元住民の要望や観光振興の一環として、名称が『笹ヶ峠(ささがとうげ)』に変更されました。
名称変更後は、峠周辺の自然を楽しむために訪れるハイカーやドライバーが増加したようです。
この峠からは、山並みや四国の景色を一望できるため、観光地としての価値も再評価されています。
『死入道峠』で起こる心霊現象
老婆や老爺の幽霊が目撃される
死入道峠では、老婆や老爺の幽霊が出現すると言われています。
かつて、この峠を越えて高縄山へと向かった高齢者たちは、道中で自らの運命を悟り、涙を流しながら歩んでいたと伝えられています。
その無念さや絶望感が峠に残り続け、現在も幽霊という形で現れているのではないかと考えられています。
この老人の幽霊は、夜間に現れ、訪問者に何かを訴えかけるかのような姿を見せるそうです。
また、時折、悲しげな声を発することもあるとされています。
女性の幽霊が目撃される
死入道峠では、白い服を着た女性の幽霊が目撃されるという噂もあります。
この女性の幽霊は、峠を歩く人や車で通行する人々の前に突然現れ、何かを訴えかけるような視線を送るといわれています。
さらに、この女性の幽霊を目撃すると、不幸や事故に巻き込まれるという不吉な話も聞かれます。
車の窓を叩く人影の噂
死入道峠を車で通過中、窓を叩く人影が現れるという噂があります。
夜に峠を走行していると、車の横にぼんやりとした人影が佇んでいるのが見えることがあるそうです。
その姿はハッキリせず、窓を叩いているような音だけが聞こえてくるといわれています。
この現象に遭遇すると、多くの人が強い恐怖を感じるそうです。
囁き声やうめき声が聞こえて来る
夜間の死入道峠では、人の囁き声やうめき声が聞こえることがあるそうです。
これらの声は、誰もいないはずの暗い峠道や、その周囲の山林から聞こえてくるとされています。
一人で峠を訪れて耳を澄ますと、まるで複数の人がヒソヒソ話しているような声が、遠くから聞こえてくるように感じることもあるそうです。
ウワサされる心霊現象
- 老婆や老爺の幽霊が目撃される。
- 女性の幽霊が目撃される。
- 車の窓を叩く人影の噂がある。
- 囁き声やうめき声が聞こえて来る。
『死入道峠』の場所
住所 | 愛媛県松山市庄府県道17号線 |
最寄り駅 | JR予讃線の菊間駅 |
アクセス | 菊間駅から峠まで徒歩で約68分 |
備考 | 菊間駅から峠まで徒歩での移動は現実的ではありません |
私有地に無断で立ち入ると罪に問われます。絶対にやめましょう。
『死入道峠』で過去に起きた事件・事故
姥捨て山の伝承
死入道峠の名の由来は、江戸時代に行われていた「姥捨て」の風習に深く結びついています。
この地域では、高齢者が労働力として期待できなくなると、家族が経済的な理由から彼らを山に捨てるという慣習があったとされています。
家族に見放される無念さと孤独の中、多くの高齢者がこの峠を通り、高縄山へと向かったと言われています。
その途中、彼らが残した涙や嘆きが峠に染みつき、現在でも怪異現象を引き起こしていると考えられています。
また、峠に捨てられた高齢者たちの多くは、食べ物や飲み水も与えられず、飢えや寒さの中で命を落としたと伝えられています。
2009年の殺人・死体遺棄事件
2009年2月9日、死入道峠付近の山中で、当時21歳の女性の遺体が発見されました。
この事件の詳細は、女性が出会い系サイトで知り合った23歳の男性に車内で絞殺され、その後山中に遺棄されたというものです。
犯人は事件後に逮捕され、自身の行動を供述しましたが、その動機は理解しがたく、多くの人々に衝撃を与えました。
この事件は、単なる犯罪の枠を超え、死入道峠に新たな恐怖の記憶を刻み込む出来事となりました。
『死入道峠』心霊スポット化の理由を考察
「死入道峠」が心霊スポット化した理由は、「死入道」という名称や伝承に残された歴史、さらに過去に起きた事件が要因となっていると考えられます。
死入道峠の先にある高縄山では、江戸時代に高齢者を山に捨てる「姥捨て」の風習が存在していたと伝えられています。
こうした悲しい歴史が、怪談や心霊現象の噂を生む土壌を形成したのでしょう。
また、2009年に発生した殺人・死体遺棄事件も、この峠にまつわる恐怖の印象を強化する出来事と言えます。
この事件は、女性の幽霊が目撃されるといった具体的な噂の直接的な要因にもなったようです。
これらの要素が複合的に作用した結果、「死入道峠」は心霊スポットとしての認知度を高めることになったと考えられます。
『死入道峠』訪問時の注意点
「死入道峠」を訪問する際には、安全の確保が最優先となります。
この峠は道が曲がりくねっており、特に夜間は街灯がほとんどなく視界が悪いため、運転には細心の注意が必要です。
また、急な天候の変化や路面が滑りやすくなる可能性にも警戒しなければなりません。
次に、地元住民への配慮を忘れないようにしましょう。
峠周辺は地元の方々の日常生活と密接に関係する場所でもあるため、騒音や迷惑行為を避けることが大切です。
大声を出したり、ゴミを放置したりすることは厳禁で、マナーを守った行動が求められます。
さらに、野生動物への注意も必要です。峠周辺は自然が豊かであり、イノシシなどの野生動物が出没することがあります。
特に夜間は動物と遭遇するリスクが高まるため、訪問は日中に限り、安全な行動を心がけてください。
これらの注意点を無視するとトラブルに巻き込まれる可能性があるため、訪問前に十分な準備をすることが重要です。
まとめ
本記事では、愛媛県の心霊スポット「死入道峠」の情報を紹介しました。
「死入道峠」(現在の「笹ヶ峠」)は、過去の悲しい歴史と現代の事件が要因となり、心霊スポットとして知られる場所です。
江戸時代には、高齢者を山に捨てるという「姥捨て」の風習が存在し、その悲劇的な歴史がこの峠に刻まれました。
その後、時を経て「死入道」という名が人々の心に不気味さを与える一因となり、さらに2009年に発生した殺人・死体遺棄事件の噂が峠に新たな恐怖の記憶を刻み込むことになりました。
このように「死入道峠」は、過去の伝承や風習がもたらす歴史的な恐怖と、現代における事件が織り交ざった特異な場所となっています。
それに伴い、白い服を着た女性の幽霊や囁き声、車の窓を叩く人影といった具体的な心霊現象の噂が絶えず語られ、その印象を一層強めています。
現在では「笹ヶ峠」という名称に改められ、歴史的な負のイメージを払拭しようという試みが行われています。
訪問する際は、その背景を尊重しつつ、安全面や地元への配慮を忘れずに行動しましょう。